13−5

有名な家名の家柄の若様に 

ーーーーー手を出す輩がいるはずが無い



”居るとしたら”〜何をしたって処罰されない相手


明らかに……それは、彼の身内の暴力だった


絶対に誰にやられたって言わなかったが

平時のウィストンの父親に対するビクつく畏怖は常軌を逸していた


友人の目の奥を覗き込めば、犯人なんかすぐにわかった


「殴ったのアイツなんだろ?!」

「こんなになるまで殴るなんてとんでもないだろ!」


あくまで名前を出さず、泣きながら訴えた


ーーー誰が聞いているか解らない


あえて名前と父親というワードは言わなかったが、それで友人に充分通じたはずだと手応えを感じていた



「…何処かで体を休めよう

医務室の先生と顔なじみだから一々理由を詳しく言わずに寝かせてもらえるんだ


だいいち君 熱っぽいじゃないかっ!

何かあるといけないから 今すぐそこにいこう!!」



「……おまえはいいなあ

全ての人に愛されてーーーー」


「〜〜〜〜!!」


眩しい様な顔で言われ、流石にカッと頭に血が上るのを感じた

……オィィ… 一体全体何言ってるんだよ!!!!


いい加減 怒るぞコラァ〜〜!




クリストファーは王太子特権で有無を言わさず

カリキュラム全終了の授業後ーーー……


『学園』から『王宮』へ

王太子専用〜彼を迎えにきた直通電脳リムジンに、今だ体調不良のウィンストンを引っ張り込んだ



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