第8話 私の好きな人を語る話(穂香視点)

 私は小池穂香。自分で言うのもアレだけど私はかわいい。それに結構明るい感じで振る舞っているから、いつからか学園内では私のことを「学園のアイドル」と呼ぶようになっちゃった。

 まあそれだけみんなから愛されてる証拠なんだろうけど、みんなが私を愛してくれても彼が私を愛してくれなかったら私は満たされない。

 今出た彼、伊藤裕司。私の幼馴染にして私の大好きな人。

 好きになったタイミングはよくわからない。だって、気がついたら好きになってたから!裕司はクールで誰も寄せ付けない感じでみんなはそこが聖域であるような印象を持っているのか近づこうとしない。

 決して裕司が嫌われているわけじゃないんだけど、みんな裕司を怖がってるの。まあ、それが裕司が「冷徹の貴公子」って言われる由縁だったりするんだけどね。

 例えば、これは一年の始めの頃の話だけど顔が良い裕司はよく陽キャな女子グループからデートに誘われてたんだけどだいたいそういう時の返しは


「ごめん、無理。」 

「興味ない。」


のどっちか。そして一番強烈だったのが、裕司が機嫌が悪かった時に明らかに嫌そうな顔で


「嫌だ。」


と一言言って追い返したの。






「よくある話じゃない。」


 美萌ちゃんが言った。


「でもこの話には続きがあって、さすがに言い過ぎたと思ったのかな?裕司がその子のもとへ行って


『さっき言い過ぎちゃってごめんね。でも、心底どうでもいいからできるだけ誘わないでくれると嬉しいかな』


って困った笑顔で言ったもんだから、裕司は優しさで言ったつもりなんだろうけど、言われたその子ショックで一週間寝込んだらしいよ。」


 冗談だよね?と美萌ちゃんが青ざめながら

聞いてきたけど、残念ながら実話です。


「でもさー、そんな氷人間をなんでほのちゃんは今でも好きなの?」


 美萌ちゃんが聞いてきた。

 

「みんなが知らないような裕司の優しさかな。」


 現に裕司は二人でいる時は結構優しい。昔はクールなだけで冷徹という印象はなかった。中学のあたりからみんなとの間に壁を築き、言葉にトゲを持ち始めた。それでも、私との間に壁は無いしトゲも無い。


「それに裕司、みんなと遊ばないのか聞いた時、

『お前と一緒にまったり過ごす、それが一番良い。』

なんて言ってくれて…はあ、最高。」


「はいはい、恋する乙女の惚気ごちそうさま。」


 あっ…、ちょっと言い過ぎた。どうしよう、美萌ちゃんが呆れてる。


「まあ話聞いた限り、ユージくんはほのちゃんのこと好きだと思うよ。」


「本当にっ!?」


「けど、ユージくん本人がそれに気付いてないだけ。あいつがどう転ぶかはほのちゃん次第よ。」


「うん、わかってる。」


そう言うと美萌ちゃんは優しく微笑んだ。


 裕司、いつでも待ってるから。そして付き合えたら、いつも以上にイチャイチャしようね!






〈あとがき〉

駄文ですみません。今回の閑話を挟んで次回から本編再開したいと思います。


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