禁断の一言

第1話

娘がまだ５歳だった頃。家族で、いわゆるスーパー銭湯に行った。普段、子供の世話で疲れているだろうから、妻には1人でゆっくりと入ってもらった。

そして、私が子供二人(息子と娘)と一緒に男湯に入った。

娘も小さかったので、抵抗なく男湯についてきた。体を洗い終わり、大浴場に３人で浸かっていた。

娘と息子は無邪気に湯船で遊んでいた。そのうち、娘が私のところに来た。

足を伸ばして悠々と浸かっていた私。

私の足の方から、飛び込むようにきた娘。

そして、一言。

「パパのおちんちん食べちゃうゾ！」

パパのおちんちん食べちゃうゾ！・・・

パパのおちんちん食べちゃうゾ！・・・・・・・

パパのおちんちん食べちゃうゾ！・・・・・・・・・・

気のせいか、大人数で少しざわついた感じの浴場が一瞬静寂になりリフレインのように娘のセリフがこだましているように感じたのは気のせいか・・・。

「こ、こら、や、やめなさい！」

誰もこちらを見てはないんだけれど、娘の一言でピンと空気が張りつめたのがわかった。

皆、あからさまに動きはないんだけれど、カイジざわざわ”といったテロップが流れているようだった。

あれは言っちゃいけない一言だった。(笑)