メイド服を脱ぐえっちな先輩

「とりあえず、リビングに来てみたけど……先輩、飲み物出しますね」

「それはわたしのお仕事です。ご主人様はお待ち下さい」

「そうだけど、どこに何があるか分からないでしょ?」

「教えて戴ければ助かります」


 この頑固な瞳。譲る気配はなさそうだな。まあいいか、可愛い先輩がせかっくメイドとして尽くしてくれるのだから、それを無碍にするなんて寧ろ失礼にあたる。


 俺はキッチンの器具類の位置を教え、後は任せた。遠くから見守っていると、先輩はテキパキこなしていた。



 順応早いなぁ。



「先輩、家事が得意なんですね」

「ええ、お洗濯にお料理なんでも出来ます。夜伽よとぎも……」


「ぶっ! 夜伽ってそれ、意味分かって言ってます!?」

「もちろんです。えっちな事ですよね」


 合っているから困った。

 先輩、まさか経験あるのか!?

 それはそれで複雑だが――。


「……先輩、あの」

「安心して下さい。メイドとして知識があるだけで、未経験です」

「……ほっ」



 ――って、何を安心しているんだ俺! 先輩が未経験と知ってつい安心しちゃったけど、それって何気に凄い情報だ。


 焦っているとお茶が出てきた。



「はい、どうぞ」

「先輩も一緒に飲みましょ」

「で、でも……」

「これは主人として命令です」

「分かりました。では、横を失礼しますね」



 密着してくる先輩。

 あたたかくて柔らかくて……良い匂い。むちむちとした肌とか服の感触が伝わってくる。……やば、興奮してきた。


 お茶を飲んで高ぶる気持ちを抑えよう。


 ずずっと緑茶を頂き、心を落ち着かせた。



「うまい……」

「良かったです。……あ、そうでした。あの、ご主人様……失礼ながら、わたしお風呂に入りたいんです」


「お風呂に? い、良いけど……着替えはあるの?」

「コンビニで買ってきます」



 なるほど、その手があったか。

 だけど、先輩が俺ん家の風呂を使うだって!? すげぇなそれ。



「わ、分かった。先輩は女の子だから、仕事の汗を流したいだろうし……いいよ」

「ありがとうございます。では、行ってきますね」



 先輩は近所のコンビニへ向かった。

 俺はその間、スマホのゲームをポチポチ。先輩の帰りを待った。そうしてしばらくすると買出しから帰ってくる先輩。お風呂に案内した。



「ここが風呂ね」

「分かりました。……では、脱ぐので……」

「あ……あぁ」


「それとも、見ます……?」


「……うっ。そ、それはちょっと……でも、見たいけど」

「ふふ、素直なんですね。でも今日は扉越しでお願いします……恥ずかしいので」


 脱衣所から追い出され、俺はその前に立つ。これだけでも相当興奮できる。この扉の向こうには服を脱いでいる先輩がいるんだ。


 耳を澄ましていれば、しゅるしゅると衣擦きぬずれ音が響く。



 メイド服……。

 下着……といった順番に先輩は脱いでいく。それが影だけ見えた。……うわ、胸の形が影になってる! こ、これは凄い。もう裸じゃないか! そこには裸の先輩がいるんだよな。


 見えないのが残念だが、影でも嬉しい!



「……先輩。影だけど……良いもの見れました。大きな胸の形もばっちり」

「ご主人様は、ヘンタイさんなんですね♡」


「先輩もヘンタイメイドだよね」

「……そうですよ。わたし、えっちな子なんです♡」


 震える口調で先輩はお風呂へ。

 きっと緊張していたんだろうな。

 俺もだけど……あぁ、膝がガクガクしてるよ。

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