第4話 始まりはこんな夜

二人で狭いシャワールームでシャワーを浴びた。

出会ったばかりとは思えなかった。


ごめんね。

いや、楽しかったよ。

それならいいけど。

ご飯食べに行く?

バイトがあるんだけどその前なら。


いきなりシャワールームのドアが開いて

サリーと呼ばれてたお姉さんがタオルを差し出した

あら、抱き合ってなかったの?残念ねえ。


やめてきくださいよ、サリー姉さん。

彼女は身を捩ってサリーの腕を叩いた。


着替えて二人で外に出た。

なんだか不思議な感じだった。


自然に手を繋いで西口の商店街に

流れていった。

そこにサンパークっていうステーキ屋があるんですよ。

安くて美味しいのでそこいきませんか?


え?よく知ってるのね。

僕、早稲田ですから。

早稲田の学生さんがストリッパーと

ご飯食べてていいの?


ストリッパーじゃなくて「彼女」じゃ

ダメですか?今日、知り合ってこんなことになるのも

何かの縁でしょ。


やっぱり変な人なのね。


武蔵は私服になるとさらに美しかった。

すれ違う男も女も振り返る。


僕もこんなに個性的で美しい女性を見たことがなかった。

細い指を強く握り締めたら、握り返してきた。

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