十三話「……仁の心音。安心する」

「ふぅ……少し休憩」

 家に帰り俺と桜は買ってきた荷物はキッチンのところに置いてソファーに寄りかかり休憩をしていた。

「沢山買ったな……」

「そうだね」

 から揚げの以外のも数日分の食事を買っていたから荷物を運ぶとき腕が少し限界だった。

「……」

 自分の腕を触ってマッサージをしていた。

「ありがとう。荷物持ってくれて……」

 桜が腕をさすってくれた。

「おぉ」

 意外にも気持ちが良かった。

「……あっ」

 すると桜の顔が赤くなっていた。

「改めて仁の腕。硬いんだね」

「そうか?」

「……うん。男の人の腕なんだなって」

「――んっ!」

 そう言われた瞬間。少しだけ心臓がぴくっと嬉しい気持ちがあって動いていた。

 桜が下の方を向いていて、さすっていた手を止めていた。

「……ねぇ、仁」

「ん、なに?」

「今朝、仁が私にしがみついてきたの私がしてもいい?」

「えっ?」

 今朝……桜の胸元に顔を当てていたやつ――

「――っ!」

 桜の胸の感触が今更になって恥ずかしくなっていた。

 あの今朝のを桜が……。

「お願い仁……学校の時も仁の胸に抱きしめることしか考えられなかった……」

「あっ」

 そのままゆっくりとこっちの方に近づいき倒されてしまった。

「……んっ」

 俺の胸元に顔を埋められていた。

「……仁、ごめん」

「えっ?」

 そのままこっちの方にゆっくりと手が伸びてきた瞬間。ブレザーのボタンを一個外してきた。

「えっ!?」

「……」

 そして一個、また一個どんどんとボタンが外され、ブレザーを脱がされワイシャツになっていた。

「……んっ」

「っ!!」

 桜に外されこれから何をされるのかワクワクしている自分がいた。

「ふふっ、仁。可愛い……」

 そして外してきた手がどんどんと俺の体をなぞるように下の方へ向かっていて、

 お尻横がを撫でてきた。

「……仁のお尻最高」

 また、ゆっくりと親指で優しく撫でてきたら他の指が俺の尻を少し強く刺してきた。

「――っ!」

 ビックリしてしまい体が跳ねてしまった。

「ふふっ仁。いいね」

 ゆっくりと桜が俺の胸元へと顔を押し当ててきた。

「……スゥ、仁の香りがする」

「――んっ‼︎」

 俺の胸元に桜の息が熱く伝わってきて心臓が一気に加速していた。

「……仁の心音。安心する」

 そして顔の向きを何度も変えながらお尻を数十分間の間触られてしまった。


「……えへへ。仁のお尻触っちゃった」

 桜が体を起こしていた。

「……」

 まだ心臓がバックンバックン鳴り響いていた。

 少し、体勢を立て直そうと体を起こした。


 トンッ。


「んっ?」

 足元に何かが当たりそっちの方を見てみると鞄が倒れてしまって、そこから二枚の写真が床に落ちていた。

「?」

 俺は落ちていた写真を拾い上げ見た。

「――っ!」

 そこには俺の寝顔と小さい頃の俺だけがお風呂で全裸になって遊んでいた写真が写し出されていた。

「……最高」

「なぁ桜」

「ん、なに?」

 うっとりとしていた桜に写真を見せた。

「この寝相のと小さい頃の写真はいったいなに?」

「……えっ? ――なぁぁぁっ!」

 顔を真っ赤になっていて、写真を持っていた手にしがみついてきた。

「私の大切な仁の写真コレクション!!」

「……んっ」

 桜の胸が手に当たっている。

 それだけでも満足だった。けど桜に抱きつきたいって気持ちもあった。

「……返しても良いけど俺も桜に抱きつきたい」

「えっ……うん良いよ」

 桜が頷いていて、顔が真っ赤になっていた。

「仁に抱かれるのも好きだし写真も返ってくるから嬉しい……」

 そして桜もブレザーを脱いでこっちに座り直した。

「……どうぞ」

「――っ」

 いつもワイシャツ姿。夏場とか見ていたがこんなに間近で見れるのが幸せでさらに心臓が騒ぎ出していた。

「触るからな」

「……うん」

 桜が小さく頷き、俺は桜を押し倒した。

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