五話 「うん。おやすみ」

 お風呂から出て俺は布団を並べていた。 

 桜は布団を並べたいと言ったが少しだけ恥ずかしかった。

「……」

 多分隣で桜が寝たら今の状態では欲望なものが収まらない気がする。

 桜はというとお風呂に二時間ぐらい入っている。

「……スゥ」

 まだ桜の胸の感触が手に残っていて無意識に手を開いたりしてあの時の感触を確かめてていた。

「桜の……胸柔らかかった」

 嬉しいという気持ちだ溢れている。

 小さい足音でテクテクと歩く足音が聞こえてきた。

「……仁」

「ん? ――っ!」

 桜の方をみるといつも通りピンクモコモコのパジャマを着ているが……、

「……鳴れているはずなのに」

 可愛い……かった。

 鎖骨のラインが出て素肌が見えていてそこからお風呂から拭き残していた雫がすらっと桜の胸元の方へ消えていった。

「――ッ!」

 無意識に桜の胸の方を見てしまった。

 さっきの桜の顔と柔らかった胸が同時に蘇ってくる。

「あっ……」

 俺の下の方に視線を向けていた。

「……仁のお尻」

「――っ」

 俺はそっと手で尻を隠した。

 ……桜に触られて嫌じゃなかったのも真実、です。

「どうする? この後寝るか?」

「えっあっ……うん」

 桜が首を縦に振った。 

「……」

 桜が布団の方をジッと見ていた。

「もう少しだけ布団をくっつけよう」

 そして迷うことなく。布団の隙間がないくらいにぴったりとくっつけた。

「……んっ」

 今さっきは桜のことが可愛かったけどなんか恥ずかしい気持ちが出ている……。 

 桜は布団の方に近寄ってその場で座り布団の方を叩いていた。

「早く寝よう!」

 ポフ、ポフと桜の手が沈んでいて遊んでいるのと早く寝たいという目がキラキラと輝いていて俺に訴えていた。

「わかった……」

 俺は桜が寝ている布団の隣に電気を消して寝た。

「……」

「……」

 不思議な感じがした。

 天井を見ると知らないいつもと違う模様何の懐かしい……。

「ねぇ、仁」

「んっ……」

 俺は桜の方を向いた。

 真っ暗だがカーテンが少し、空いて夜空の光が桜の顔をはっきりと写した。

「私、仁とこうして一緒に住めて良かったよ」

「……っ!」

 そうゆう風に言われて嬉しかった。

「それと仁のお尻触れたからラッキー!」

「俺の方こそ幸せだよ。だって桜とこうして高校になって一緒に住めるなんて思ってなかった」

「……っ!」

 桜がこっちを見てフッと枕で顔を隠し赤くなっていた。

「……ねえ仁。手、繋いで」

 スッと桜の手が布団から出してきた。

「いいよ」

 俺は桜の小さくて暖かい手を握りしめた。

「桜って本当に手、握るのが好きだよな」

「……うん。だって世界一愛してる私の彼氏だよ。愛してる」

「――っ」

 その笑顔がやっぱりまた好きになる顔、だった。

「……」

 もう可愛すぎてこっちが体全体熱くなってしまう。

「桜、おやすみ」

「うん。おやすみ」

 今夜はもうグッスリと寝てしまった。

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