三話 「ハンバーグ美味いっ!」

 片づけをしていたらあっという間に夕方になっていた。

「大体は片づけられたんじゃないか?」

「そうだね……」

 大量のダンボールと本とかアルバムとかが出ていた。

 それとぬいぐるみも出ていた……。

 どこから出てきたんだあんなの……。というかダンボールに入っていたのが不思議だったんだか。

 桜のシロクマとペンギンのぬいぐるみに近づく。

「桜ってぬいぐるみ好きだよな」

「えっ可愛いでしょ?」

「ん、まあ可愛いけど……」

 首を傾げて、小さい頃から「新しいぬいぐる!」っというんで俺に見せてきたけど。

 触ると意外と手触りがフワフワでさらさらと気持ちよかった。

「おぉ……」

 これはずっと触ってたいかも……。

「じゃあ晩御飯の準備にしちゃうね」

 桜はキッチンの方へと移動した。

「なにか手伝うけど?」

「ん~ないかな。火とか包丁を使うし、二人の時だと本当に危ないときあるから座ってて。ママとの料理の時に経験したから」

 エプロンをつけて買い物袋から色々と取り出していた。

「……わかった」

 俺はシロクマのぬいぐるみを持って桜の料理が出来上がるまでソファーでテレビを付けて待ってた。

 七時ごろ桜がテーブルに現れた。

「はーい出来たよ仁」

「おぉ……」

 いい焦げ目がついたハンバーグが二つ皿に乗ってた。それと味噌汁にレタスまで次つづとテーブルの並べていった。

「めちゃくちゃ美味そう……」

 言葉が出てしまうほど嬉しかった。

「さあ食べて食べて自信作だよ」

「それじゃあ……いただきます」

 手を合わせ。ハンバーグに差しを入れると中から肉汁が滝みたいにどんどんと溢れていた。

「おぉ……」

 そして一口。ハンバーグを口の中にいれた。

「んっ」

 やっぱり肉汁が噛めば噛むほど溢れだしご飯が欲しくなる。

「ハンバーグ美味いっ!」

「えっ本当に? 良かった……」

 桜が笑っていた。

 味噌汁。気になるな……。

 味噌汁の器をもってそれも一口、口に含んだ。

「んっ!」

 あったかい優しい味。赤味噌のべーズだがそこまでくどくなく豆腐とわかめという定番が心にしみる。

「温か……」

 行儀は悪いが、ハンバーグとご飯を同時に口に入れて、味噌汁で喉に流し込んだ。

「美味い!」

 幸せかというほど美味しかった。

「ふふっ仁が喜んでくれてよかった」

 その後、ご飯とハンバーグを何度もおかわりをし腹がパンパンになるまで食べつくしてしまった。

「あぁ……幸せだ」

 桜に胃袋を掴まれてしまったほど、魅力的な味だった。

「おぉ……そんなに喜んでくれるなんて作ったこっちが嬉しくなっちゃうね」

 桜が自分の皿を持ってキッチンの方に持って行った。

「洗い物やっておく」

「それじゃあお願い。お風呂はすぐに入る?」

「桜が先で良いよ。片付けとか夕飯までしてくれたんだから」

「じゃあ、先に入ろうかな。準備をした後は……」

 桜がこっちを見ながらジロジロとみていた。

「わかっているよ尻ならいくらでも触って構わないから」

「やった! それじゃあすぐに準備してくる」

 桜がお風呂場の方へと歩いていった。

「やるか……」

 皿をゴシゴシと洗剤をつけながら汚れと油の隅々まで落とした。

「完璧だな……」

 新品だがそれでも汚れがないほどに真っ白く綺麗に輝いていた。

 すると桜がこっちの方にきた。

「仁。お風呂今沸かしてるよ~」

「わかった」

 手をタオルで拭いて桜の方に近づく。

「それじゃあ……触らせて」

「……いいよ」

 俺はすぐそこにあったペンギンを抱きしめた。

「それじゃあ……」

 桜の手が俺の尻をグッと触ってきた。

「……っ」

 くすぐったく。ペンギンを力強く握りしめていた。

 手の指先が柔らかく変なところが力強い感触が所々あり円を描かれるように撫でられた。

「仁のお尻柔らかい」

 時々、桜の息が耳元まで届き。恥ずかしさが加速していく。

「仁のお尻好き」

 五分ぐらい触られ続けられた。

「えへへ。ありがとう仁。夢かなっちゃった」

「……それは良かったよ」

 尻が自由に動ける状態に解放され、おかげでペンギンの顔が変顔になっていた。

「……」

 けど、まだ尻のところが桜に撫でられた変な感触が残っているそんな気がした。

「桜の体が触りたい……」

 もう気づけば言葉に出して発音していた。

「……えっ⁉」

 桜の顔が真っ赤になっていた。

「私の体触り、たい?」

「それは勿論当然」

 恋人としてずっと好きだった異性として好きだし触りたい。

「……んん」

 桜が自分の胸に手を当てていた。

「仁て私の胸好き?」

 桜の胸はそんなグラビアみたいな巨乳じゃなくあるぐらいな感じだか、

「大好きです!」

「――っ!」

 それだけは自信持って言える。何年間桜の胸を見ていたか! ……変態ではあるんだけどそれは好きな子の胸を見てしまうのは仕方がないとしての意味だぞ。

「……いいよ」

 桜が頷きソファーの方へと移動した。

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