幼馴染から恋人になって暮らします

二髪ハル

プロローグ


「ねえ仁、私と一緒に暮らさない?」

「……え?」

 茶髪が地毛のツインテールを靡かせながら幼馴染の伊波いなみ さくらが唐突に言ってきた。

 彼女のことはどうゆう風に見ているかなんて簡単なことで普通に異性の好きな女性として見ている。

 きっかけなんて漫画や小説みたいな出来事なんてことはない。彼女に対していつの間にか好きにはなっていた。それだけだの話だ。

 そんな彼女から暮らさないかと相談を持ち掛けられた。なんて嬉しすぎる。

「……桜さんや、その経緯を教えてくれ」

 嬉しいが流石に急すぎて状況が追いつかないから、その経緯を知りたい。

 桜は小さく頷いた。

「私のパパとママが。明後日には海外の方に仕事に行くんだって」

「あぁ……そんなこと言ってたな」

 数日前ぐらいにお袋がそんなことを言ってた気がしたな。

「……それで?」

「流石に私一人だと心配だからってママが仁と一緒に住めば解決だって言ってた」

「……おばさん」

 まあ、それはそうだよな。夜とか一人にさせるのは親としては不安だろうな。お袋とか親父たちのなんか顔をニヤニヤしているのが想像つく。

「あと仁のお母さんも二人きりで一緒に住んで良いよって言われた」


「「……何言ってんだお袋!!!?」」


 お袋の方に向かおうと思ったが今は会社にいる。

 なんでこんな時に会社に出ていっていないんだよ……。

「仁はどうなの、私と住むのって?」

「いや、……まあ、あのな住むってあれだぞ」

「うん」

「一応は男女なんだぞ。……桜は良いのか。こんな風に誰かと住むなんて」

「いやいや、誰じゃなくて仁と住みたい」

「……おぉ」

 俺と一緒に住みたい。

 そうゆう風に言われると嬉しい。……です。

 でも、

「それでも普通に俺が男だぞ。警戒心ぐらいはあったほうが良いと思う」

「それじゃあ恋人になれば住める?」

「……ふぁ!?」

 恋人!? 桜のやつ恋人って言ったよな。

「仁って好きなことかっているの?」

 桜が首を傾げて聞いてきた。

「……それはな」

 桜のことが好きだとこの場で言える。今まで脈なしなんだろうなと思っていたから心臓が物凄く跳ねていてバックンバックン鳴り響いている。

 ……言え、言うんだ。ずっと好きだと言え!!

 自分に物凄く言い聞かせる。

 そして、

「……桜のことが一番好きだよ凄く嬉しい。……桜に対して本気で心の底から告白をするから聞いてほしい」

「…………――えぇっ!!」

 言えた。ずっと好きだとやっと言えた。

 桜の方を見ると顔を真っ赤になっていた。

「ちょ! ちょっと待って告白なんて嬉しすぎるけど、ちょっと急すぎる!」

「俺は桜にいきなり告白されたんだが……」

 それをいうと桜が顔をにやけながらこっちを何度も見てきた。

「えっ。……ぁぁうん。そうなんだけど、なんだけど!! ……ほんの少しだけで良いから待っててほしい。気持ちの整理だけさせて! 仁に対して私も言いたいこと全部言うから」

「わかった」

 すーはーすーはーと桜は息を整えていた。

「よし! いいよ」

 パンパンと自分の頬を叩いていた。

 俺も深呼吸をしこれから伝えたいことを伝えた。

「小さい頃から好きだった。大好きだ! 俺と恋人になってくれ。ずっとこれからも愛してる」

「…………うん」

 下の方に俯き顔がまた真っ赤になっていた。

「私も仁のことを好きで愛している。ずっと子供のころから大好きで憧れだった。改めてなんだけど私と暮らしてくれませんか?」

「それはもちろん。……よろしくお願いします」

「ふふっ……。よろしくお願いします」

 こうして桜と恋人になれた。

「一緒に住んじゃったら……仁のお尻を毎日触るかもしれないけどいい?」

「いままで聞いた話で驚いているんだけど……」

「それは……言ってなかったからね。仁のお尻が好きで眺めてたなんて」

「なん、だと?」

 慌てて自分の尻を隠していた。

 まさか桜に尻を見られてたなんて。

「仁はさ。私の身体で興奮とかってしてたの?」

「それはな……好きな人として気になっていたんだからしょうがないだろ。もし一緒に暮らすことになったら触ってもいいのか?」

 桜は何度も頷いていた。

「それは仕方がないんじゃないかな~。だって今から恋人だから仕方がない」

「……そうだな」

「うん」

 体が熱い。

 桜と一緒に住む引っ越しは3日後に行った。

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