第7話 俺は死にましぇん!

グレネードランチャーが勝手に発射された直後に

爆発が立て続けに起きた。


バギュ~ン! BA~DOOM! 


強烈な爆音が響き、俺は咄嗟に地べたにべったりと伏せた

あたりには爆煙と強烈な独特の臭い 多分炸裂した

グレネード弾の火薬臭がたちこめた。


カチャリ!


グレネードランチャーについているリボルバーが

回転して次弾が装填された音がした。


「あれっ!? だけど生きてる・・ なんともないぞぉ~??」


てっきり攻撃ヘリのロケット弾を受けて

粉々の肉片になると思ったんだけど、俺はピンピンしていた


ひょっとして、俺のグレネードランチャーからの

攻撃があのヘリに当たったのかな? 

と見上げてみても敵のヘリが被弾したようにも見えない

相変わらず悠々と飛んでいるしな・・


一体 どうなってるんだ? 

俺の銃は暴発して相手のロケット弾は不発だったのか? 

では、あの続けざまの爆発音はなんなんだ?


どうやら、攻撃ヘリ側も事態の異常に気付いたようだ。


シュバツ!シュバツ!


僅かに姿勢を変えると、反対側の翼下のランチャーから

ロケット弾をまた撃ってきた


すると、ほぼ同時にピピッ!と魔銃から高い電子音がすると

グレネードランチャーがまた勝手に発射されたんだ。


ポ~~オゥ!! 


「よしっ! 今度は目を離さないてしっかり見てやるぞ」


銃から飛び出したグレネード弾は直後に空中で炸裂した

するとその爆発に巻き込まれて、敵ヘリから放たれた

ロケット弾が誘爆を起こしたんだっ!


これは偶然じゃない! 炸裂して破片となった

こっちの弾幕が敵が撃ちこんできたロケット弾の

誘爆を引き起こしていたんだ。



辺りに濛々とたちこめた爆煙の光景を見て、

ようやく俺にも事態が飲み込めてきたよ

つまり、このグレネード弾は攻撃用じゃなくて

防御用の弾幕弾装備だったってわけだ・・


そういえば、戦車にアクティブアーマーといって

装甲版の中に爆薬を仕込んでおいて、その爆風で

相手のロケット弾の威力を封じようとしたタイプが

あったっけ・・ 。


「毒を持って毒を制すってやつだ」


また新型の艦艇には20mmバルカン砲とレーダーを

組み合わせたCIWSに代わって、ASM/対艦ミサイルなどの

迎撃に短距離の艦対空ミサイルが増えてきているけど

ああしたロケット弾やミサイル攻撃などによる攻撃に

対する迎撃方式に相当するような個人用携帯防御システムを

搭載しているってわけだ。


「うひょ~ これはすごいぞぉ!」


しかもこの銃には、敵の攻撃に対して搭載している

センサーが反応して脅威度を自分で判断して、

脅威とみなした攻撃に対してのみ自動で防御用の

弾幕弾を投射するシステムが組み込まれているんだ


だから武装ヘリが俺から離れた遺跡に向かって

攻撃した時は、無反応だったんだな。


「守られている 俺は守られているんだっ!」



そう思ったら、なんか急に元気が湧いてきたぞ

これはなんとかなるかもしれん。


「これがほんとのイージス(神の盾)じゃけんのぉっ!」


俺は興奮して、わけわからんことを叫ぶとダッシュで

密林の中に転がり込んだ。





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