第16話 桜散る・・・
いくら電話をかけても桜子と話を出来ない日が多くなった。
繋がって話が出来ても、どこかあっさりしているというか、心ここにあらずみたいな感じになってきていた。
そして、ある日。
「エレジーちゃん、私、好きな人ができた・・・」
え、ウソでしょ・・・
「エレジーちゃんには、悪いと思うんだけど・・・」
これ、夢じゃないよね・・・
秋田県の実家にいた桜子はバイトをしていた。そのバイト先で知り合った男性の事を好きになってしまったとの事だった。
もう私の両親も秋田県に連れていき、婚約している状態だった。
ウソでしょ・・・
到底、受け入れる事は出来なかった。
「え、俺たち別れんの?ウソでしょ?」
「ゴメン、エレジーちゃん!ホント、ゴメン!」
いやいやいや、悪い冗談でしょ?
しかし、桜子の意志は固く、私と別れてという一点張りだった。
過去の恋愛経験から、こういう時は追いかけてもムダだというのは身に染みてわかっていた。
「わかったよ・・・じゃあな。」
電話を切った後、私はしばらく放心状態になった。このダメージは私にとって想像以上に堪えた。
そして、テレビで河原選手が離婚した事を知った。
やっぱり、ムリだったんや・・・
計り知れない虚無感・・・
なんでよ、桜子・・・
ウッソピョーン!って、いつものように言うんやろ?
しかし、いくら待っても電話が鳴ることはなかった・・・
でも、人間、そうはいっても、仕事をして生きていかなければならない。
所詮、受け入れて生きていかなければいけないんだ・・・
そんな矢先、ある女性と出会う。
『人間万事塞翁が馬』
あんなに執着していた桜子の事に諦めがついた。新たな希望を見いだした頃、桜子から電話がかかってきた。
「エレジーちゃん、ゴメン!やっぱり、私、エレジーちゃんじゃなきゃダメな事がわかった!」
「桜子・・遅いよ。気付くの遅いよ・・。俺、もう守らなきゃいけない子が出来たんよ。二人も守られへんから、俺・・・」
「いやーー!私、エレジーちゃんじゃなきゃダメなのに!」
桜子は泣きじゃくっていた。
遅いよ・・
もう遅いよ、桜子・・・
可哀想という気持ちにはなったけれど、私の桜子に対する気持ちは、もう切れていた。桜子は泣き続けていたけれど、電話を切った・・・
後にも先にも、自分から別れを告げたのは桜子だけ。
そして、私がまともに付き合って、心から愛した女性は桜子と今の妻の2人だけ。
それが多いのか少ないのかわからない。あ、ヤルだけの子は何人かいましたけどね。
さぁ!出ましたよ!最後のクズ発言!
クズ発言ファンの方、お待たせしました!
さぁ、今まで生きてきた中で、1番のハイトーンボイスで、もう一度!
『あ、ヤルだけの子は何人かいましたけどね。』
はい、シリアスモードに切り替えて下さい。
でも、その2人共に、自分の人生をかけてもいいと思えるほど愛した。
1人は成就し、もう1人とは成就しなかった。
1人と成就しなかったから、もう1人と出会えた。
そう考えると、運命というのは、一本の糸で繋がっているんだなあと思う。
桜子、元気にしてっかなぁ・・・
あ、そこはハイトーンボイスじゃなくていいです。(笑)
長々と、私の話を読んで頂いた皆様、ありがとうございました!
桜の子 エレジー @ereji-
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