第9話世界のバグ

「どうした!何事だ!」

責任者が来たらしい。そして、事情を説明すると、その人は震え上がった。

「その症状は、歴史上にも数多く文献がある。その文献に載っていた人は例に漏れず、周りに不幸を振り撒きながら死んでいったと言う。そいつを隔離しろ!不幸を振り撒かせるな!」

こうして、僕はほぼ牢屋と同じくらいの設備しか置いていない個室に閉じ込められたのだった。

責任者が言うには、「親が来るまで大人しくしてろ!」との事だ。

おかしい話だ。何も悪いことをしていないのに牢屋に閉じ込めるなんて。

「グガアア」

と、不意に何かの鳴き声が聞こえた。どこからか響いてくる。

「グガアア!」

今度ははっきりと聞こえた。自分の下から聞こえた。しかし、自分の下は地面があるのみ…、いや、もう一つあった。影だ。

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