第3話呼び出し

いつも通り、釣った魚を持って帰路についた。

「ただいまー。」

「お帰り、今日の魚は何かなー?」

おじさんが言ってたのは確か…、

「クラードフィッシュだっていってたよ。」

「あら、丁度クラードフィッシュに合う、塩の味付けの準備をしてたの。」

いつも、実は予知能力があるんじゃないかと思うぐらい、『丁度』なんだよなあ。

「そういえば、父さんが帰って来たら部屋に呼んでくれっ言ってたよ。」

そういうことは早く言ってくれ。

「わかった。行ってくるよ。」



「来たか。」

「うん。」

父さんがいつにも増して神妙な顔で座っている。

「それで、何の用?」

「ついに明日、おまえのアーティファクトを授かりに教会にいくことになった。」

「ついにか。」

八才になると、誰もが教会でアーティファクトを授かる。アーティファクトは能力とも呼ばれており、道具を通して魔法を使うことができる。

「僕の能力は何でしょうかね。」

「わからない。アーティファクトは大抵親から遺伝するが、必ずしも同じようなものとは限らない。俺のアーティファクトは武器を作り出すだけのサポート型だが、おまえは違うことを祈っている。」

どうしてだろう。

「お前にはかつて俺が志していた、冒険者になってほしいからだ。」

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