銃士の南京錠

大魔王きのこ

第1話死


それをとても強く、身近に感じた。そんな瞬間だった。


敵がにじり寄って来る。爪を振るう。


「え?」


気付いたとき、僕の腕はあるべき場所になかった。宙を舞っていた。


『うでを斬られた』、そう脳が認識した瞬間、痛みが襲う。


体がズキズキと痛む度、僕は自分の無力さを呪う。


僕に『能力』があったなら!誰もが一つは持っていた、『能力』があったなら!


そして思った。

どうして僕は能力を持たずに生まれたのだろう。


誰かの声が聞こえる。

『いや、能力はある。君が使い方を知らないだけだ。』


『さあ、叫べ、怒れ、自分の無力さを呪え!』


『その叫びが武器になる。さあ雄たけびを上げろ。君の能力は…、』


『「銃士の南京錠!」』

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