第5話⁂話し合い!⁂


 二〇十八年七月某日、章は、愛人の留美と息子の翔を伴って新しくオープンした長野県のショッピングモ-ルに出掛けたのだが、その時に蓼科の別荘に程近い場所を走行中に、一際目を引く美しい妻の鈴子らしき女性を発見。


 怒り狂った章は、知り合いの探偵に早速妻の素行調査を頼んだ。

 すると早速ある男に辿り着いた。


 それは息子の大和が通っている、偏差値最高峰私立徳豊高校の理事長である事が、分かったのだ。


 そして五年近くも前から月一で、土曜日にお友達の山本茜のマンションで落ち合い、三人で食事をした後別れて、そこから二人は蓼科の別荘やホテルで密会していた事が分かった。


 実は、友達の茜は大手企業の専門職に就いているキャリアウーマンで、会社の部長と不倫関係にあるのだ。

 そこで二人は、お互いのアリバイ作りに協力し合っていたのだ。


 {そういえば妻は、月一回必ず俺が出張で家を空ける日を狙って、お友達と旅行にいっていたな~?子供も大きくなったので安心して、息抜きの為にと思い、又俺も浮気を勘ぐられなくて済む……そう思って、これ幸いに旅行に行かせていたが……?まさか~?友達の茜ちゃんは俺もよく知っているから安心していたが……それでも…茜ちゃんに『いつも妻を旅行に誘ってくれてありがとね~たまには妻も、憂さ晴らしをしないとね!』『本当!本当!こちらこそよろしく~!』な~んて言っているから、てっきり旅行に行っているものとばかり思っていたが………?アアアア!許せない!許せない!許せない!}


 早速その夜、子供達に聞かれては不味いので、誰もいない佐々木公認会計士事務所で章は、鈴子にこの素行調査結果を叩き付け、問いただしたのである。


「グウウウウ( ノД`)シクシク…そんな……そんな……そういう変な関係じゃ~ないのよ~…只?・・大和があんなのだから相談に乗って貰っていただけよ~!」


「…そんな噓が、まかり通ると思っているのか……男と二人っきりで一晩泊って何もない訳が無いだろう!この阿婆擦れ女め!言ってみろ!」


「グウウウウ(´;ω;`)ウゥゥ」只々泣き伏す鈴子。


「……それでも…本当に大和は一体どうして、あんな事に……どうしたら良いものか?」

 大和の『あんな事?』とは一体どういう事なのか?

 確かにこの家では人に言えない………?


「本当に!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭……一体どうしたら良いの?」

 喧嘩を中断して神妙な面持ちで考え込む二人。


 すると今度は鈴子が一気に日頃のうっ憤を爆発させ「あなた私を責めるけど……?( ノД`)シクシク…あなたに女がいる事は、とっくに感付いていたのよ!酷い!酷過ぎ!ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「フン!百貨店売り場の契約社員のお前を、まだ若過ぎると言って親が反対したけれど………お前がどうしても一緒になりたいと言うから、結婚してやったんだ!それを自分を棚に上げて……そんなものは男の甲斐性だ!それが我慢出来ないんだったら、不貞を犯したお前なんか、さっさと出ていけ――――ッ!」


「ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭………分かったわ!私もあなたとは、もうやっていけない!………別れましょう!」


「…お前!まさか、あの理事長の所に行く気か……ウウウ許せん!」


「私は……大和の事を理事長にお願いしていただけなのよ!それも分かってくれないんだったら別れるしかないわ!もう私~?あなたの事は我慢が出来ないのよ!」


「……オイ!ちょっと待て!……じゃ~?大和があんな状態で…どうするんだ………?俺も言い過ぎた‼冷静に話し合おう!」


 破綻した夫婦なのだが………?

 家族には人に言えない秘密が………。













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