第2話 すごろくうた

ひい、ふう、みい、よ、すごろく遊び

行きつ戻りつ鬼招き

ととさまかかさま骰子さいころ狂い

借財しゃくざい積もって御嘆おんなげ

娘十七、嫁にれると鬼を相手に運試し



いつ、むう、七夜の宮参り

駆けつ休みつ鬼遊び

娘九つ、鳥居の端にて鬼様こちら

あけくつ沓鈴かすず鳴らし

時の満つれば迎えに参らん



ひと夜、ふた夜と深山みやまで物忌み

明けつ暮れつの鬼遣おにやらい

暦如月こよみきさらぎ、坊様祈祷で鬼は外

さてこそ娘御むすめご、鬼と成るか、仏と渡るか、満願成就の骰子振りゃれ



ひと、ふた、みい、夜ごと坊主の色舞わし

泣きつ惑いつ鬼くらべ

これぞ功徳くどくと娘組み敷き狒々ひひ嗤い

思い余りの骰子振れば、賽の目鬼門で鬼は内



ひい、ふう、みい、よ、すごろく遊び

黒装束ぞ美しき、鬼に引かれて根の御殿ごてん

白無垢女御しろむくにょうごぞ、上がりけれ

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