第5話 生息環境

 さて、ここで、いくらかでも貯蓄があれば、話は早い。でも、これまでのナマケモノ生活で、貯蓄はほぼゼロ。

 貯蓄とは、貯め蓄えたお金。

 我が家にあるのは、たまたま残った僅かなお金。それはただの残金。わずかな残金では家なんか建てられないと思っていた。

 そうなると、安く中古をリノベなんてどうかしら?と、まずは考えたのです。

 我が家の状況だと、店舗は住居と一緒が良い。そうなると条件のよい中古をみつけるのはなかなか難しい。

 店舗目線、住居目線で、場所の条件も物件の条件も変わってくる。両方を満たしたものなんて、まぁないのです。しかも安くてこれは!と思えるものなんて、まぁないのです。

 では移住政策のある村とかは?と考えてみた。補助金だとか空き家の改修が既にされていたりとか、いい条件のものがあるのかなと。

 とある村に、不便は承知と覚悟して見に行ってみると、想像や覚悟のその上をいく不便感に少し挫ける。

 とはいえ、どんな所にでもしばらく住めばそれなりに適応できると思っているナマケモノ。立地的には、どんな土地でも順応できる気がする。では譲れないものはなんだろう?と考えてみる。そうだ、わたしは、とにかく虫と汚れは大嫌い。

 虫がいなくてキレイでって…あれ?それって、そもそも、中古リノベとか、山村移住とか、なしじゃない?と気がついたのです。気づくの遅い。

 ナマケモノ、自分の習性を再確認し、生息可能環境について改めて考える。

 適度なお町に新築一戸建店舗兼住宅しかないのか?

 でも、先立つものがない。生活が便利な虫のあまりいない土地で真っ新キレイなお家なんて、そんなの建てたら、いくらになっちゃうの?

 全くわからない。勉強不足につき、想像もつかない。うむー困った。

 そこから、住宅ローンや家の購入について更に調べ始めた。

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