第14話 続みかん

 ある日、夫がスーパーに買い物に行ってくれた。夫がスーパーに行くと決まって買い過ぎる。今回も何だか色々と買ってきてくれた。その中にみかんがあった。

「みかん買って来ちゃった。今回は自分でむくよ」

と言った。そうか今までは自分でむこうと思うほど食べたい訳じゃなかったのか。

 食後、みかんをテーブルの上に置く。夫は自分でむいて食べた。私はその様に感動した。こいつは自分でみかんをむける人間だったのか、良かった。

 私もみかんを食べる。夫が自分でみかんをむかないせいでみかんを買えなかったため、ここぞとばかりにみかんを食べた。まだ食べるのかと聞かれるほど食べた。結局小袋に入ったみかんは1つしか残らなかった。

 夫をスーパーに行かせるのはあまり気が進まないが、みかんはまた買ってきて欲しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る