プリン②

プリン



明日は、いよいよオープンだ。

私もそれに向けてバタバタしている。

最近、私もそしてご主人様も忙しそうにしていて、あまり時間が合わずかまって貰えません。

かといって、忙しそうにしてるのにかまってくださいとも言いにくい。


ご主人様パワーが足りていない。

そんな時は、さりげなく誘ってみることにする。


今は夜で、ご主人の部屋からは明かりが漏れている。

ということは、起きているということだ。


よく考えると久しぶりにご主人様の部屋に入る。

最近のご主人は、自分で起きてくるようになってしまった。

私が、部屋に行かなくても良くなってしまったのだ、いいこと何だろうけど何か心がモヤモヤしている自分がいることも感じている。


コンコン

「失礼します」


「プリンか、入っていいぞ」


入っていいって言われたいので、入ることにする。


「なんか用か」


「いえ、その時間………ありますか?」


「寝ようと思っていたけど、大丈夫だよ」

ご主人様は、本当に寝る気だったみたいだ。もう既に、ベットに入っていた。

そんな時、どうやって一緒にいることができるだろか。


「じゃあ〜寝ます?…………その、一緒に」


「!えっ、いいよ一緒に寝る?」


「え?」

発案した自分が驚いてしまった。

自分で言ったのはいいけど、絶対に否定されると思った。

全く予想していなかった答えだった。



「いいんですか?」

しかし、自分で発案したからにはここで引くわけにはいかない。


「いいよ!おいで」


掛けていた布団を持ち上げて、ここに入りなと、目線で訴えてくる。


もちろん、そこに入る。


「て!」

これで、分かって欲しい。

これ以上言うのは、恥ずかしかった。

多分、顔は赤くなっているんだろう。


「て?」

やっぱりわかってもらえなかったか。


「繋ぎましょ」

心臓が今にも飛び出しそうだ。

こんな状態で、絶対に寝るれわけがない。


ご主人様は、何も言わずに、手を繋いでくれた。


手を繋ぎ始めてからどれくらい経っただろうか永遠とも言える時間を過ごしながら私は今日も寝る。

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