出店準備⑧


リンが帰って来た。




思ったより早く帰って来たので、本当にすぐそこで適当に買ってきたのだろう。






「まず、ロアこの宝石の値段を当ててごらん」




リンが買ってきたのは、赤色のキラキラと輝いている宝石だ。




「……………いきなりですね。触っても?」




二人には伝えていなかったので、驚くのが普通だろう。




「もちろんどうぞ」




ロアは、宝石を触り、すぐにうなずいた自分の中で何かしらの確信を受けたのだろう。




「これって、ガーネットに見えますけど……………偽物じゃないですか」




「リン、正解は何だ」




「はい、正解は恐らくですが偽物です」




「おそらくとは?」




「あまりにも安かったので、店の人に聞いてみたら、店の人も分からないみたいなので、値段的からの予測です」




「そうか、さすがだな~」






「じゃあ、レイ、この魔具はいくらだ?」




この魔具は、見たことない物だった。


これをどう動かすのだろうか。




「見た感じだけなら、内部破損はなさそうなので、金貨4枚くらいじゃないか」




「リン」




「はい、金貨3枚と銀貨9枚でした。ほぼぴったりです」




これを聞いた瞬間に、採用が俺の中で決定した。




「じゃあ、採用で。明日からよろしく」




「本当ですか」


ロアがキラキラした目で見てきた。




そして、家の住所を教えた。




「やっぱ、あの家の貴族様だったんですね……………なんとなく予想してましたが、これからよろしくお願いします。」




次は、店の場所を確保しなくてはいけない




家はあるが、家で販売することはできない。


新しく拠点を作る必要があった。




そういえば、この世界に不動産みたいなものはあるんだろうか。




あとで、リンに聞いてみようと思ったが、今はこの二人を目に前にして聞かない方がいい。


この二人は、俺が初歩的な教育を終わったばかりだとバレてしまうと、バカにされる可能性があるからだ。






そんな事を考えて、今日のところは、お開きになった。




次から、店探し編スタートだ。

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