第10話 掛川くん

クリスマスイブから卒業までは一気に時間が流れた。


イブに告白しなかったと舞に言うと、何で告白しなかったんだと散々攻められた。


イブを逃した今、告白するタイミングは無く現状維持が続いている。


卒業したら、今度こそ、それぞれの道を行くので優斗とも会う機会はぐっと減る。


努力して時間を作らないと、会う時間は無いだろうと思っている。


こんな曖昧な関係を卒業後も続けられるのかも不安だった。


大学の卒業式はあっという間に終わり、慌ただしく卒業旅行に行き、入社に向けて服や荷物を準備したりしているうちにあっという間に社会人になっていた。


就職先はスポーツブランドメーカーの営業。


バスケをずっとやっていた縁で就職することになった。


初日でドキドキしながら会社に向かう。


会社に着くと新入社員・中途採用社員はこちらという看板が立っており、それに従て行くとホールへ着いた。


どうやら、このまま入社式を行うみたい。


まだ誰も来ていなかったので、パンフレットが置いてある席の一番端っこに座る。


ここはやる気をアピールするために、真ん中に座ろうかとも思ったが勇気が出なかった。


その後、続々と人がやってくる中途採用の方が多いのか新卒らしき人は中々来ない。


あと5分で始業時間というところで、新入社員らしき若い男性が入ってくる。


新入社員が一人じゃなさそうだと思いホッとする。


その新入社員らしき人が席につくなり、人事らしき人がホールに入ってくる。


「みなさん、入社おめでとうございます。本日司会進行を務める岩内と申します。よろしくお願い致します。本日の予定について説明させて頂きます。このあと入社式を執り行い、その後、新入社員と中途採用社員に分かれてガイダンスを行います。午後からは配属先での対応となります。詳細の行動については入社式後にご案内します。それでは社長が到着するまでしばしお待ちください。」


説明が終わるとホールが静まりかえる。


この静けさに身が引きしまる。


しばらくすると社長がホールに入ってきて、滞りなく入社式が開催される。


入社式といっても一種の儀式で、あっという間に終わってしまった。


終わるとさっき説明をしてくれた人事の岩内さんが


「それでは本年の新入社員2名と中途採用社員13名に分かれてガイダンスを行います。新入社員の方は私に着いてきて下さい。中途採用社員の方はこちらの女性について行って下さい。」


と言うなり岩内さんは早々に部屋を出ようとしているので、慌てて追いかける。


おなじく慌てて準備をしているのは、さっきぎりぎりに入ってきた若い男性だ。


やっぱり新入社員だったかと思いながらも、岩内さんの後を追う。


「それでは午前中、こちらの部屋で会社について説明した後、簡単なマナー講座を行います。社食の使用方法を説明した後、昼食となります。午後からは配属先にて対応となります。基本はOJTとなりますので、配属先の先輩方に色々聞いて下さい。」


と岩内さんが説明を終えると別の人が入ってきて会社の説明を始める。


一息つく間もなく事が進められる。


やはり学校と会社では全然雰囲気が違う。


一通り会社の説明が終わると、トイレ休憩を挟み、直ぐマナー講座に入る。


ここでようやく自己紹介の場がやってきた。


「掛川大地です。第一営業部配属です。趣味はキャンプです。よろしくお願いします。」


同じ営業部配属と聞いて少し安心する。


キャンプ好きということはアウトドア派なのかな。


気が合うといいなと思いつつも、自分の自己紹介をする。


「横川快です。第二営業部配属です。趣味は中学校の頃から続けているバスケです。よろしくお願いします。」


簡単な自己紹介の後はマナー講座を受ける。


マナー講座の後は社食に異動する。


「社員証をここにタッチして食べたいものをパネルから選んで、出てきた食券をカウンターで出して食事を貰って下さい。食費は給料から天引きとなります。何を頼んでも300円。ちなみに俺のおススメはカツカレー。カツがとにかくでかくて美味しいぞ。それじゃぁ、午前中はお疲れ様でした。午後からはそれぞれの部署に行くように。場所はさっき教えたから分かるよな。今後、新人研修がある場合はメールでお知らせするからしっかり確認するように。」


と言い終わると、岩内さんは食券を買ってカウンターに向かっていく。


「横川さん、心細いから一緒に飯食べましょう。」


と掛川くんが声をかけてくれる。


「私も心細いのでありがたいです。食べ終わったら一緒に営業部のフロア行きましょうね。」


と言いながら、私達2人は岩内さんにおススメされたカツカレーの食券を購入しカウンターに向かう。


岩内さんの言うとおり、カツが大きくてびっくりする。


空いてる席を見つけて座る。


「横川さんがいてくれてよかった。改めて掛川大地です。友達からはだいって呼ばれることが多いので気さくに呼んで下さい。あと、同期だから敬語崩してもいい?」


「もちろん。よそよそしかったから、ため口でいこう。私も改めて横川快です。快って呼ばれることが多いから、これからよろしく。」


と挨拶もそこそこに少し早めに営業部のフロアに行くために、急いでカツカレーを食べる。


急いで食べていたので、食事中は中々おしゃべりが出来なかった。


営業部のフロアに向かう途中で大くんが


「そうだ。今日、帰りに新入社員の親睦を深めるために飲みに行こうよ。本格的に仕事が始まると、忙しくて飲みに行ける機会も減るだろうしさ。」


一瞬、優斗の顔が横切ったが、辛いときに会社で支え合えるのは大くんしかいないから、味方につけておかなくてはと思い、


「いいね。帰りに近くの居酒屋で一杯行きますか。」


と約束をして営業部のフロアに向かった。


営業部に着くと入り口で人が待っていてくれていた。


「新入社員の2人だよね?午前中はお疲れ様でした。第一営業部と第二営業部を管轄している湊です。今日からよろしく。まずは席に案内するから。」


と言われ席を案内してくれた。大くんとは席が少し離れていた。


「午後が始まったら自己紹介してもらうね。その後、OJTの先輩社員を紹介するから、その先輩の指示に従って動いて下さい。」


と言い終わると午後の始業を告げるチャイムが鳴る。


「みなさん、今日から配属された新入社員の2人です。自己紹介をしますのでこちらに注目して下さい。」


フロアにいる営業部の社員達の目線が集まる。


外回りなのかところどころ空席となっているが、それでも20名程から見られると緊張して、心臓がどきどきする。


緊張しているのを察してくれたのか、大くんが先に事項紹介を始めてくれる。


「掛川大地です。大学ではバスケをやってました。趣味はキャンプです。みなさんの足を引っ張らないように一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。」


自己紹介が終わると同時に拍手が起こる。その拍手が止んでから私も自己紹介をする。


「横川快です。趣味は中学校から続けているバスケです。分からないことだらけですが、一生懸命頑張りますのでご指導よろしくお願いします。


」大くんの時と同様拍手が起こる。


「それでは2人をよろしく。それでは仕事に戻って下さい。」


と湊さんが言うと、みんな一斉に仕事にとりかかる。


「それじゃぁ、先輩社員を紹介するからついてきて。」


と湊さんが言うと、綺麗な女の人の前まで来ると、


「山田沙織さん。こちらが横川快さんの先輩社員となるので、指示に従って仕事して下さい。」


と言うと、湊さんは大くんを連れて第一営業部のフロアに行ってしまった。


慌てて先輩社員に挨拶をする。


「横川です。ご迷惑をおかけしないように頑張りますので、これからよろしくお願いします。」


「山田沙織です。うちの会社は役職に関わらずさん付けで呼ぶから、私のことは沙織さんでいいからね。午前中はお疲れ様。聞いてばっかりだったから疲れたよね。うちの会社はいきなり実務になるから、早速色々教えるから頑張ろうね。」


と優しく微笑んでくれる沙織さん。


優しそうな先輩で心底良かったと思った。


そこからコピーの仕方からメールのやり取り等、基本的なことから始まり、受け持つ得意先のリストを貰う。


「まずはこの会社に担当者変更するってことで挨拶のアポイントを取ってみて。みんな忙しくて電話を嫌うから、メールでアポイントを取ってみて。分からないことがあったら声かけて。」


と言うと、沙織さんは自分の仕事に戻る。


私もさっき教わった通りにメールを打っていく。


途中、電話が鳴るので電話を出たりしているとアッという間に時間が過ぎていく。


アポイントのメールと電話と沙織さんから頼まれた資料の編集をしているとあっという間に終業を告げるチャイムが鳴る。


「お疲れ様。5月の連休明けまで新入社員の残業は禁止だから、チャイムが鳴ったら帰ってね。みんな忙しいから、特に声掛けは必要ないから。」


と沙織さんが声をかけてくれる。


「分かりました。今日はありがとうございました。また、明日からよろしくお願いします。お先に失礼します。」


と言って荷物をまとめて営業部のフロアを後にする。


大くんとの約束を思いだしたものの、人が忙しそうに行きかっている廊下で待ってるのも邪魔かと思い、1階のエントランスに向かう。


大くんの連絡先を聞いてないから、無事落ち合えるか不安に思いながら、帰っていく人達に大くんがいないか注意深く見ていると、大くんが現れて目が合う。


「良かった。帰っちゃったかと思った。」


「廊下で待つと邪魔になりそうだったから、下に降りてきたの。」


「そうだよな、あそこ人通りが多いもんな。じゃぁ、行こうか。」


2人で会社を後にする。駅の近くの焼き鳥屋を見つけ、入ってみる。


時間が早かったので空席が席に座ることができた。


「お疲れ。初日から疲れたな。」


「ほんとに疲れたね。先輩社員どんな人だった?」


大くんの先輩は後からの紹介だったので、どんな人か気になっていた。


「それがさ、めちゃくちゃイケメンなんだけど、やたらと冷たい人でさ。俺、初日なのに心が折れそうだわ。」


と項垂れている。


その姿が面白くて思わず笑ってしまう。


「笑うなよ。快の先輩は優しそうでいいな。ところで、俺もバスケやってたんだよ。奇遇だな。」


といきなり呼び捨てにされ、ドキッとする。


「自己紹介聞いてびっくりした。いつからバスケやってたの?」


その後、バスケの話や大学の話、仕事の話で盛り上がった。


「明日も仕事があるし、ここらでお開きにするか。そういえば、連絡先聞いてなかったから教えてもらってもいい?」


「私もさっきロビーで待ってるとき連絡先聞いとけば良かったって思ってたんだよね。」


と言ってスマホを取り出し、連絡先を交換する。


お会計を済ませて外に出る。


さっきお店で話ている時に大くんに住んでいるところを聞いたが、実家が地方で会社の近くに一人暮らしをしているようだった。


「それじゃぁ、俺歩いて帰れるから。また明日な。気を付けて。」


「今日はありがとう。また明日から頑張ろうね。」


と言って大くんと別れ、地下鉄の駅に向かう。


地下鉄に乗るとスマホを確認する。


さっき連絡先を交換している時に優斗から連絡がきていた。


『お疲れ。初日どうだった?俺はインターンの延長だったから、特に変わったことはなかった』


と私を気にしてくれているような文章が届いている。


『お疲れ。初日はなんとかクリアした。同期と結束を深めるために飲んできた帰り。連絡が遅くなってごめん。』


優斗から連絡がきていたのは3時間も前だった。


すぐに既読がついて『同期って女?』と短い文章が届く。


『男だよ。新入社員は2人だけで、あとは中途社員だった。同じ営業部だから心強い。』と送ると、またすぐに返事が届く。


『これからは事後報告じゃなくて、出来れば事前に連絡して欲しい。会いたいけど、忙しくて時間が作れなさそうだから、週末空けといて。』と優斗から週末のお誘いが届く。


『分かった。空けとく。今日はお疲れ様。明日の頑張ろうね。』と送りスマホを鞄にしまい目を閉じた。


想像以上に気を張っていたようで、どっと疲れが押し寄せてきた。


気付いたら降りる駅で、急いで地下鉄を降りると家に向かう。


家に着いてからは、何をどのようにしたか全く記憶がないが、気付いたらベットの上で朝を迎えていた。


リビングに降りて行くとお母さんが朝食の準備をしている。


「快、昨日は相当疲れてたみたいね。帰ってくるなり無表情でお風呂に直行して、自分の部屋に行ったから大丈夫か心配してたのよ。会社はどうだった?」


「想像以上に気を張ってたみたいで帰ったらホッとして疲れが出たみたい。会社は先輩達がみんな優しくて何とかなりそう。昨日は同期と決起集会ということで帰りに飲んできたんだ。」


「だからお酒臭かったのね。疲れている時こそ朝食をしっかり食べて行きなさいね。」


早めに会社に着いておきたかったので、時計を気にしながら急いでご飯を食べて家を出た。会社に向かう途中でスマホを確認するが、優斗からの連絡はきていない。


とりあえず、『おはよう。今日も頑張ろう』と連絡を入れておくが、会社に着くまでに既読になることはなかった。


「おはようございます。」まだ、人がまばらない営業フロアに向かって挨拶をしながら自分の席に向かう。


まだ大くんも沙織さんも出勤してきていない。


パソコンの電源を入れてから、給湯室に向かう。


昨日、沙織さんからコーヒーを自由に飲んでいいと教えてもらっており、みんな飲んでいたので、目覚めの一杯のつもりでコーヒーを淹れる。


席に戻ってメールを確認すると、昨日送ったアポイントのお願いのメールに返信がきている。


「おはよう。朝早くて関心ね。」


沙織さんが出勤してきて声を掛けてくれる。


「おはようございます。本日もよろしくお願いします。」


「今日はお願いしたいことがたくさんあるから、メールの処理が終わったら声かけてね。もちろん始業してから仕事すれば良いからね。」


「分かりました。」


答えた後、営業フロアを見渡す。


新聞を読む人、タブレットを見る人、仕事をしている人、それぞれみんな何かをしている。


私も明日から出勤してからの時間を有意義に過ごそうと思った。


営業フロアを眺めていると、大くんがフロアに入っていくる姿が見える。


大くんは自分の席に行く前に私の席に寄って


「昨日はありがとう。今日も頑張ろうな。お昼一緒に食べような。」


「おはよう。昨日は楽しかったね。了解。食堂待ち合わせで。」


と簡単に会話をすると、大くんは自分の席に向かう。


始業のチャイムが鳴ると、早速届いているメールの確認をする。


共有スケジュールを開いて、沙織さんの予定とお客さんの予定を照らし合せて予定を組んでいく。


一通りスケジュール組みが終わり、メールの返信も終わったので、沙織さんに声をかける。


「沙織さん、共有スケジュールに予定を入れましたので確認をお願いします。とりあえず、やるべきことは終わりました。」


「了解。スケジュール確認しておくわね。この資料をここの指示書通りに直してもらえるかな、分からないことがあったら聞いて。」


どさっと資料を手渡される。暇より仕事を貰える方がよっぽどいいと思いながら、言われた通りに資料を修正していく。


あっという間に午前中が終わるチャイムが鳴る。


沙織さんより先に席を立つのはまずいよなと思いながらごそごそしていると、それに気づいた沙織さんが


「お疲れ、チャイムが鳴ったら声掛けずに食堂に行っていいわよ。私はお弁当だからデスクで食べるの。食堂の使い方分かるかしら?」


「お疲れ様です。昨日説明して頂いたので使い方は問題ないです。今日も同期と食べる約束をしてるので、分からないことがあったら聞きます。」


「そう、よかったわ。ゆっくりしてきてね。」


沙織さんとの会話が終わると食堂へ向かう。


大君が入り口で待っている。


「遅かったな。俺腹ペコだわ。今日は何を食べようかな。」


「腹ペコなんて久々に聞いた。食堂のメニュー全制覇したいね。」


とおしゃべりをしながら食券を買ってカウンターで食事を受け取り、空いている席に座る。


「今日はどんな感じ?」


「相変わらず俺の先輩は冷たい雰囲気だよ。大量の仕事を貰ったよ。この調子がずっと続くのかな。」


「私もたっぷり仕事貰ったよ。暇よりマシだよ。まだ二日目なのに何言ってるのよ。」


と笑いながら大くんを励ます。


同期がいて良かったと思いながら、食事を済ませ営業フロアに戻る。


午後の仕事に入る前にコーヒーを淹れてからデスクに戻る。


午後からも集中力を切らすことなく仕事をしているとアッという間に終業時間になる。


沙織さんに一言かけてから、会社を後にする。


スマホを確認するも、優斗からのメッセージは届いていない。


このまま自然に関係が消滅してしまうんじゃないか不安になりながらも、週末の予定を楽しみにしている。


こんな調子で会社と家の往復をしている間にあっという間に週末の金曜日の終業時刻を迎えていた。


「お疲れ様。一週間どうだった?」


沙織さんが帰る前に声をかけてくれる。


「お疲れ様です。沙織さんの指示が的確なので働きやすいです。学ぶことが多くて大変ですが楽しいです。来週もよろしくお願いします。」


「よく理解してくれて、しっかり仕事をしてくれるから私も助かってるわ。週末はしっかり休んで、また月曜日からよろしくね。」


沙織さんに挨拶をしてから営業フロアを後にすると、大くんもちょうど帰るところだった。


「お疲れ。一週間あっという間だったね。」


「そうだな。もう俺へとへとだわ。週末は別途から出れないかも。」


「そうだね、精神的にも疲れたね。」


「快は週末なにしてるの?」


「土曜日は出かける予定があって、日曜日は会社で使いたいものがあるから買い物に行く予定だよ。」


「すげー元気だな。俺はひきこもるよ。」


「気晴らしも大事だよ。」


と他愛もない話をしながら会社を後にして、大くんと別れた。


スマホを確認すると優斗から連絡がきている。


『明日、11時に迎えに行くわ。』


と来ているが、またお母さんと鉢合わせるとめんどくさいと思い、


『11時駅で待ち合わせで良いよ。』と送ると、『了解』と短い返事が戻ってきた。


偽装関係だからしょうがないけど、業務連絡のようなあっさりしたやりとりが悲しくなる。


よくよく考えてみると、偽装恋愛を始めて1年になるが、手をつなぐ以上のことは何もない。


偽装だからあたり前なのかもしれないけど、男と女なんだから手を繋げばその気になってキスの一つや二つあっても不思議じゃない。


優斗が私のことを女として見ていないことを改めて認識し、益々悲しくなってくる。


愛ちゃんとの縁は切れているはずだから、私は不要だといつ言われてもおかしくない状況だと思う。


その前に私は女だと認識してもらわないと急に気持ちが焦ってきた。


明日、会う約束が急に待ち遠しくも不安になってくる。家に着くと明日着ていく服を決めようとクローゼットを漁ってみる。


優斗から俺の前だけでスカートを履いてと過去に言われたが、気恥ずかしくて一度も履いていない。


明日は思い切ってスカートを履いていこうと決めて、全身鏡の前でコーディネートを決める。


仕上げに優斗から貰ったネックレスを付けてみる。


鏡に映って自分を見て、少しは女っぽいかなと満足する。


明日のコーディネートが決まっただけで、ざわざわしていた心が落ち着いてくる。


明日に備えて早く寝ようと思いながら、顔パックをして明日に想いを馳せた。

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