02 指名制自己紹介

鉄と工兵が英知学園に到着するとそれぞれの

教室へと向かった。


因みに鉄が1組、工兵が2組である。


鉄は1年生の教室が並ぶ2階の1組へと入る。


教室はやけに静かで皆が緊張しているように見えた。



(とりあえず、ここが俺の席か……)



自分の出席番号を確認し、自分の席へと座る。


そして特にすることが無いので、

担任が来るまで読書を始める鉄なのであった。


そんな鉄の姿を少し離れた所から見つめる少女に

鉄が気付くことは無かった。











鉄が登校して暫くした後、

担任であろう人物が教室へ入りこう告げた。



「よ~し! 自己紹介っ!!」



そう言うと、担任であろう女性は

クラスの端を指さした。



「とりあえず、そっちから順番にどうぞ!」



かなりハイテンションな人の様だ。


そして指名された生徒はすこしおどおどしながら

自己紹介をし始めた。


鉄は自己紹介には耳を貸さずに

担任を見つめる。



(新任か? それともベテランか……)



まずはそこを確認する年齢は20代前半。


スーツをきっちりと来ており、

手元のカンペ的な物をチラチラと見ている。



(多分……新任だな)



新任の教師は「やけに厳しい人」と

「規則が緩々の人」と差が激しい事が殆どだ。



(まぁ……一旦様子見だな)



そう鉄が分析をしてると、



「よろしくねっ! 松本君っ!」



突然名前が呼ばれ、声の方を見てみると、

そこには1人の少女が自己紹介をしていた。


しかし、クラスへ紹介しているはずなのに

何故か後ろの席に居る鉄の方を向いて

先ほどの発言をした少女。



「……お、おぅ」



驚きながらも鉄はそう小さく返す。


すると笑顔で前を向き座る少女。



「じゃ、じゃあ……次はす、杉山君ね……」



担任は驚きながらも進行し続けるのだった。

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