Take41 また朝

「陸、起きて」

そう聞こえたのは

夢でもなく

嘘でもなく


揺さぶられる

僕の朝

まただ

また朝になった


眠れなくて

でも

起きていたくなくて

天井も見飽きて

壁を触って

毛布の香り

消した照明の輪郭


そんなに悩んでも

何も解決しないと

聞こえてくるのを

聞き流すフリして

眠ったように見せかけて


失敗して


僕がどうにかなったって

朝には蒼温が気づいてくれる

から

失敗したまんまでいっかって


失笑して


そんな朝

ゆらゆら揺れていた

蒼温の声

僕は確かめるために言ったんだ


「蒼温、僕死んでる?」


「うん。死んでた」


そっか

深い意味はないよ

死んでるのが

正解って気がしてたんだ

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