52 マクベス城の三階のポリゴンの壁の向こうには、仮想現実の世界があった、神代の神、ヘンリー・キャーシーが、現る。

 シヱ、菓子太郎、マリーは、マクベス城の探索をしていた。

 

  マクベス城の三階 ポリゴンの壁からすり抜ける様に、三人は情報の海に流されて、仮想世界に入った。


 「此処は・・・。」

 菓子太郎は臆病な性格で、ひねくれもので、怖がりだ。


 「お前たちは・・・。」

 其処には、マーリルが居た。


 「此処は、マクベスが創った、電子情報で出来た、もう一つの世界さ。」


 五感、認識、感覚、物理法則、そして数学、この世界のあらゆるシステムを完全演算しつくす事など可能だろうか・・・。


 「恐らく・・・、実際には、完全な世界の原理其の物を完全に再現出来てはいないだろう・・・。」


 シヱは言った。

 「にしても、此れは、異常だ。この電子世界の神は何処にいる???。コンピュータの頭脳の事だ・・・。此れ迄の高度な世界を再現する程のスーパーコンピュータだ。其れは、正に神と言えるだろう・・・。」


 「さあな。俺には分からねえ。」


 其の、仮想世界の中で、四人は、探索していた。この世界にある様々な原理や概念、物理現象が再現され、其れが、其の世界に実在していた。


 「さあて、ここからが、本題だ・・・。」

 マーリルは言った。


 「此の扉をみろ。此れは、・・・ある場所に繋がっている。其れは、恐ろしい、廊下が或る。途方もなく長く、恐ろしい赤色のカーペットの敷かれた廊下がな。」


 マクベスはこの場所を隠していた。


 長年、奴の右腕をやって来たが・・・、この場所と、あの地下だけは、頑なに厳重に暗号化され、秘密に成っていた。


 「其れじゃあ、行くか・・・。お前等も来るだろ???。」

 四人は、薄暗い、灯に照らされた其の、廊下を歩いて行った。

 

 「此の灯は、インフィニテで出来ているな・・・。神々しい灯だ。」


 其のずっと長く続く廊下は、何時しか宙を浮く、道に成っていた。


 「一体何処に繋がっているんだろうか。」


 菓子太郎はそう言って、天上を見上げた、其処には、真っ白な雲が浮かんでいた。


 天上は、ガラス張りに成っていた、入った時は、白い、天井だったが、床が宙に浮き始めてから、其の天井は、ガラスの様な透明な物質で出来、其の空は、宇宙の様になったり、雲に成ったり、海の中の様になったり、其の景色を変化させ、みせていた。


 壁には、絵画や生き物な標本が飾ってある。


 そういった、道を、ずっと奥まで行くと、其処に、扉が現れた。


 「此の扉は・・・。」

 菓子太郎は扉に手を伸ばした。


 「開けてみよう。」


 「重い・・・。何て重さだ・・・。到底開けられそうにない。」


 四人がかりで其の巨大な、扉を押すが、扉はびくともしなかった。


 扉の横には、謎解きのパズルと、問題が、五問、其れから、鍵穴があった。


 「此れを解けば、開くのか・・・?。」

 菓子太郎は言った。


 其れは、数学の、未解決問題とされて居るものや、未だ字られていない物理法則、歴史に関する問題だった。


菓子太郎は、其の、未来さえも先取りする、探究の能力で、精神世界で、何十億年の時間を体感し、其の五つの問題の答えを出し、奇妙な、鍵穴に合わせた鍵を創り出し、扉を開けた。


 「此れは驚いた。」

 シヱは言った。


 こいつは、逸材だ。


 「やるじゃないあんた!!!。」

 マリーは、そういって、菓子太郎の背中を叩いた。


 扉の中へ進むと、真っ暗だったが、突如として、灯が扉の方から順番にパッパッパッパとついていった、其の奥には、何処か神聖な、模様のついた椅子に座った金髪の男が居た。


 「やあ、よく来たねえ。」

 其の男は、赤いスーツを着て、髪をオールバックにした、目つきの悪い男だった。

 

 「一体貴方は?」


 「僕は、ヘンリー・キャーシィ 。 神代の神の一人さ。」

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