39 元の世界へ帰る。

 

 地球にて。地球は本日も平和な日が続いていた。大っ嫌いだった中学校。私はあの世界にいる間に高校生に成っていた。


 分身体に学校に行かせていたのだ。


 「私が留守の間、色々世話を掛けました。ありがとう。」


 私は、私の分身にお礼をした。


 二年前。


 不思議な少年、夜来月 夜によって、私は、あの世界を知った。


 あの世界から帰ってくるとき、エメラルド公園のあの鏡から出てきた。公園では、子供づれの家族、や、子供、中学生、高校生、路頭に迷った人、老人、いろんな人が居た。


 私は、わき目も降らず我が家に帰っていった。


大きっらいで、私の事を何もわかってくれなかった家族。


分身体で、ずっと見てきたけれど、此の本体で、久しぶりに会うと、なぜか懐かしささえ覚え、怒りも収まった。


 金鞠中学校。


友達なんて一人もいなかった。


意味の分からない。


痛い奴だと思われてきた。


高校に入学して何かかわったろうか。 


あした、学校へ行ってみよう。


と画レ虚は思った。


 十六夜高校。偏差値の高い、名門進学高だ。私の分身が合格した高校。


 久しぶりの日常、そういえば夜来月 は、何処にいったのだろう。

 

 

 「起立。気を付け。礼。」


 机に教室、狭苦しくて、嫌いだった。


 私は、友達を作ろうと頑張ってみた。


此れ迄は、文学さえあればいいと思っていた。


けれど、あの戦いや旅を通じて仲間の大切さを学んだ。


 私には、友達が出来た。


新しく出来た、ともだちの朱未は、医者の子供で、将来は医師になるのだと、勉強を頑張っていた。


朱未は私の訳の分からない世界の話も真面目に聞いてくれた。


けれど、私には、帰らなければいけないもう一つの場所がある。ごめんよ。私は実は・・・。


 「如何したの、画レ虚???。」


 実は・・・。


もうすぐ行かなきゃならないんだ・・・。


悲しい。


こんなに悲しいのなら、友達なんて作らなきゃよかった。


けれど、一般人を巻き込むわけにはいかなかった。


 「ううん。何でもない、何だが・・・。嬉しくって。初めてできた本当の友達なんだ。」

 朱未は、私を優しく抱きしめた。


 「ありがとう。」


 そういって、夕方の日の沈む、午後六時頃、自転車に乗りながら、別れを告げた。


 「ばいばい。また明日。」


 「また、明日あ。」 


 そうだ。あの神社にお参りに行こう。


 狐火姫の治める。


この街の神社。


金山神社に行こう。


 金山神社。


 門の前でお辞儀をして、龍の口から出る水で清めた。


鈴を鳴らし、お祈りする。


 「まだ、狐火姫様は、お忙しいのだろうか・・・。」


 すると、奥から源内が出てきた。


 「ああ、戻ったか・・・。しかし、向こうは大変な事に成っとるのお。」


 「あ、はい。畏れ入ります。」


 「お前さんも、気を付けなされな。此の地球も危ないやもしれんしのお。」

 

 

 其の日の夜、私は、反転世界に戻った。

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