36 決戦マクベス!!!

 私達は、難なくマーリルと闘う危機を乗り越え、更に先を急いだ。


 マーリルの言っていた話じゃ、此の廊下を渡って、更に階段を上って七階の、巨大な扉を開くと、マクベスの部屋があるといってゐたな。


 扉は重く固く閉ざされていた。


十メートルはあろうかと思われる巨大な扉だった。


扉には文章や、紋章、寓話的な彫刻が施されている。


「なんて、堅い扉だ。」


扉は鍵がかかって開かなかった。


「鍵のありかを訊くのを忘れていた・・・。」

くっそ。何処だ。鍵は・・・。


その時・・・。背後に人の気配がして振り返ると。

マクベスがいた。


「マっマクベス!!!。」

三人は一斉に構えた。


「そう焦るでないわ。」


「お前たちには、未だ早かったようだな。無謀な戦いだ。其れでも我を倒すか。」


マクベスは落胆した様子で言った。


「マーリルの奴が戦わずにいる時点でお前らは論外。マーリルは弱い奴には興味を示さない。此処へ来たところで、お前等の敗北は決まっている。」


何を言っているんだ此奴は・・・。


「お前の目的は何なんだ。マクベス・・・。」

私は、マクベスに質問した。


マクベスは、おかしなものでも見る様な目で言った。


「んーーーー、さあね。強いて言うならこの世界の進化。改心、かな。其の為には一端この世界を滅ぼす必要があるからね。」


「お前は、世界を滅ぼすつもりなのか???。」


「ああ、そうだよ。そして新たな新世界を創る。なんて美しい。エレガントなんだろう。今なら君たちを逃がしてやっても構わないよ、如何する、逃げ出すか、其れとも・・・。」


身体が恐怖で動かなかった。勝ち目のない敵と分かっていても、逃げ出す事が出来ない。


「なるほど死にたいんだね。分かったよ楽に殺してあげる。君たちの愚かな慢心を称してね。」


魔界神マクベスが勝負を仕掛けてきた。


もうどうなったって知らない。


やれるだけやるのみだ。画レ虚は覚悟を決めた。


「行くよ二人とも。」


「ああ、分かってる。」

バルマは、剣を構えた。


「ああ、もう、やるしかないんでしょ。分かってるよおおお。」

菓子太郎も臨戦態勢に入る。


 鬼ちゃん!。メロン!。出て来て。

「魔装。龍鬼。 百パーセント 天竜 天鬼 畏まりまして、扉よりいでよ、時空を繋ぐ白き魔獣 妖魔 クロスノア 」


 天竜巫女の舞。鬼神 ガノスの舞。

 画レ虚は流麗な舞を踊る。画レ虚の想像した武器や、魔物が攻撃をする。画レ虚の分身が攻撃をする。


 「なんと・・・想像以上の力。文殊画レ虚 ・・・。素晴らしい!!!!。」

 マクベスは歓喜した。


 しかし。

 「マクベスの七不思議 其の六 盾 。」

 あらゆる攻撃の無効化。


 「拙い技よ。」


 「畳みかけろ。行くぞ、菓子太郎。」


 「やってやるよ。見せてやるうう。」


 水龍神 脚運び 精霊よ我にあの力を。

 「無我空異国 覇魔。」

 デス

 デス

 デス

 見えない速度で加速度で、マクベスを殴った。


マクベスの盾でも、この速度には耐えられなかった。


覇魔の速度は、この世界の真理 空を体得した物にしか使えない。


かつてマクベスの首を取ったと勘違いした時に一撃で、やった技だ。


 「此れだけじゃ駄目だ。マクベスの 玉によって自動再生される。マクベス人形を介してな。」

バルマは叫んだ。


 「灰の魔法でちりじりにして粒子レベルで、粉々に分解してやる。」


 クロスノアの効果でマクベスの魔鏡による、空間操作、マクベスの脚による高速移動を防いではいるが、杖による温度操作、目による、重力操作、剣による、攻撃力を防ぎきる事が出来て居ない。


 しかし、今しかない。


 此のチャンスにダメージを与えて少しでも弱らせる。


 クレフ―に貰った、此の力で・・・。


 「超分解。二度と元に戻れないように、分解し、解析する。 スコープスカウター。」


 超人的な発明により、何千年何億年、何兆年、何恒河沙年、更に時を超えた超文明の技術を先取りした、道具による、魔法。


 「まっ、まさか・・・!!!そんな、其れは、古代文明のあの破壊兵器・・・。」


 菓子太郎は独自に其の兵器 




 超分解ガリアスを完成させていた。



 「灰になって死ね。」


 円型の平べったい直径三メートル程の機械が、真ん中から開き、其処から、手が出てくる。


 分解の手だ。


 此の世界の引力を無効化する悪魔の手。


 比喩だ。


 実際はそういった機械、機能が作動して、まるで手の様に、物質を分解し、無に帰す。


 「どうしてだ。運命は変えられないというのか。神よ。神代の魔導士たちよ。戦士たちよ。」

 世界の意志に尽くしてきたというのに・・・。


 「お前だ。御前だ、菓子太郎。御前が寅次郎の託した、未来の寅次郎が託した・・・。正真正銘の天敵だったってわけかあああああ。」


 殺しておくべきだった。


 余興を楽しんでいる場合では無かった。


 雅楽の奴にそそのかされて、友情なんかを感じて、奴らの成長なんぞを見守ってさえいなければ・・・。


 「やったのか?。」


 バルマは言った。


 「やった。」


 しかし、余りにあっけない。


 本当に、マクベスを倒したのか。

 

 

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