19 摩訶不思議学校の校舎を回っていると、マクベス人形に遭遇する。

 西校舎にしこうしゃは、青魔法あおまほうの校舎で、状態変化魔法じょうたいへんかまほうの研究が盛んにおこなわれていた。



 「此処で、水魔法を習ったよ。」


 バルマは言った。バルマの異常な、水の能力の力は此処での研究の成果が或るのだという。


 「だが、魔導書まどうしょの試練はしていない。」

 バルマはいった。


 「魔導書の試練って、何なのですか。」

 私は尋ねる。


 「魔導書の試験ってのは、魔道の神髄、理を会得する試験だね。」

 カローナは答えた。

 

 廊下を歩いていると、


 

 青魔道進級試練場あおまどうしんきゅうしけんじょう


 という、印のある教室があった。




 「此処は・・・?。」

 画レ虚は尋ねた。


 「此処は、試験会場みたいな処だよ。」


 「青魔道に興味があるのかい???。」

 カローナは答えて、訊いた


 「いえ、白魔法そろまほうに興味があるんです。」

 前から考えてはいたことだ。

 

 周りの人達は、白魔法は最難関で難しいといった。


 私は、白魔法が向いている。


 白魔法は空間を操作する魔道、この能力も白魔王と相性がいい。


 ベムさんも、そういっていた。


 「白魔法は難しいよ。白本の試練を受けるつもりなのかい。」


 「はい。いつかは。」

 

 「ま、がんばれや。」

 カローナはそう言ってにっこり笑った。


 魔法と能力は全く別のものだ。


 魔法はフョームの或るものが勉強や研究により身に着ける事が出来るもので、能力は、生まれ持ってか、後で何らかの影響、其れは強い憎しみだとか、ストレス、事故、何か、後天的な努力により獲得するもので、其れは、個性的な物で、通常は一人に付き一つの能力しか発現しないのだ。


 稀に複数の能力を持つものが居る。


 彼等の事をイレギュラーと言う。


 本で読んだ知識だ。


 

 調査の結果、目立った事件は、無かった。



 そして、不思議な廊下である虹色の浮かぶ道、レインボーロードの途中で、




 マクベス人形に遭遇した。




 マクベス人形は不気味で、見てはならない禁忌のようにも見えた。


 呪われた機械人形のようにも見えた。


 目が真っ黒で、何処を見ているのか分からない虚ろな目。



 「君たちは・・・。なかなか見ないが・・・。強い潜在能力がありそうだ。」


 と、画レ虚を見て、笑った。


 憎しみに満ちた恐ろしい笑みだった。


 「それにしても、カローナ。何の用だ。雅楽の差し金か???。」


 カローナは背筋を正していった。


 「ダンジョン攻略の会議出席をお願いします。場所は雅町 歓楽町 点線会議書です。」


 「ああ、なるほど・・・。力を付けてきたという訳じゃな・・・。ふむふむ。」


 と言って、過ぎ去っていった。


 画レ子は、見てはいけないものを見た。



 マクベスの魔導着の裾から見えていた。



 血だ。血がたらたらと流れ落ちていた。


 肉片がぽろぽろと、堕ちている。



 ぶるぶる震えていると。



 「如何した。」



 カローナはきいた。



 「血が・・・。」



 「血がどうかしたのか・・・。」


 どうして、血が流れているのか、考えてもわからなかった。


 

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