10 文殊画レ子とベム、バルマは、摩訶不思議地帯で迷子になる。

 だが、あの霧は一体何なのだろう。恐らく幻惑げんえいを見せた何者かに狙われている。


 一本の杉のが立って居る。


 其の樹から、ふくろうの鳴き声が聞こえる。


 此の梟は、幻惑げんわくを見せる、梟 ゲヘルだ。


 なるほどゲヘルに襲われていたのか。


 「ゲヘルだ。」


 ホーホー ホーホー 


 あたりがきりに包まれた。


 「此の霧に気御きお付けろ!。」


 バルマは叫んだ。


 え?どうすれば・・・。霧・・・。


 「此の霧幻覚を見せる霧。フョームを流れで幻惑を消さなければ死ぬぞ。」


 フョームは、修行で、或る程度扱える陽になった、能力者に流れる特異なエネルギー。


 意識を集中させる。


 すると、霧が消えた。


 「ダイジョブか、画レ虚。」


 「はい!。」


 「その様子じゃ、如何やら、フョームは使い熟せているようだな。」


 「だが、ゲヘルは、下級の魔物。此れからは更に強敵が出てくる。」


 摩訶不思議地帯の迷宮は、既に攻略されているために、地図が或る。


 安全な道はなく。


 未だ解明されていない、古代のポリゴン兵や、遺跡を守る謎の動き攻撃してくる兵隊服、機械の殺戮さつりくロボットがウロチョロしている。


 入口には、荒涼こうりょうたる、森と、大地、そして、古の遺跡。


 未だ発掘が済んでいないという、遺跡が或る。其れは、四人の原初の術者以前に此処に住んでいたとされる何者かの遺産。


 其の名残。


 大地には、草木が生えている、そして、ライオンやトラ、狼や、熊などの肉食獣が歩いている。


 其れは、小人たちと出会った精霊の森にいた、十メールを越えた猛獣もうじゅうの其れだった。


 「精霊の森に居た猛獣だ・・・。」


 「あの、森に行ったのか?。あの森は、危険な森だ。けれど、此処の森の奴らはそれ以上だ。見た目は、同じでも、強さは、其の十倍以上。弱肉強食じゃくにくきょうしょくの世界、猛獣の強さが違う其れに、一番やばいのは、



 小さい猛獣だ。



 彼奴らに遭ったら御終いだ。御前じゃ身を守るので手一杯、俺たちが居なけりゃ即死だ。」



 小さい猛獣???。って一体・・・。



 「手のひらサイズの獅子丸ししまるとか、虎之介とらのすけには、絶対に手を出すな、喰われるぞ。」


 大地を抜けると、荒野が広がり、その先に森が或る、森には、川が流れていて、其処を上っていくと、洞窟どうくつと、遺跡が或る、其の洞窟を抜けると、崖があり、其の崖の上に摩訶不思議学校が建っている。


 先刻さっきから、ずっと、私達は、巨大な猛獣に襲われている。


 そして、戦っている。


 殆どはベムさんや、バルクが、片付けてくれるが、私だって、数体は、倒した。何とか、倒した。その際に様々な能力を獲得かくとくした。



 その一つが巨大化。物体を巨大化したり、縮小させて自在に攻撃する技を覚えたのだ。



 森に着くまでに、バルクは百二十一体、ベムは二百三体、私は、七体の猛獣を倒した。無駄な殺しはしないで、気絶させた。


 「以前より、魔獣の数が増えてやがる。」


 ベムは言った。


 「ああ、おかしい。異常事態か・・・?。何にせよ、注意するに越したことは無い。」


 「待ってくださいよー。二人とも。早いです。」


 「何とか、付いてこられたみたいだな。」

 

 

 「此処から、森に入るが・・・、画レ虚此処からは、鬼ちゃんと、メロンを使え。」


 「はい。」


 「レベルアップを目指すならば、死ぬ気で戦え。此処からの敵は、画レ虚には手ごわいだろう。其れにちょっと気がかりも或る・・・。」


 森に入る。


 山毛欅ぶなすぎ銀杏いちょうさくら躑躅つつじ、松、梅、蜜柑みかん林檎りんご、竹、様々な樹木に覆われた森林。


 其の地面に、多種多様な、花、果物、薬草、が実り、木の実が落ちている。山の動物が其れ等を奪い合い、其の小動物は、大型の動物に食べられる。


 「綺麗な、森ですね。森林のエネルギーはなんだか気持ちがいいです。」


 大自然に囲まれると心が現れた心地に成る。


 「そうだな。」


 「日が差して気持ちいいねえ。」


 三人は、水の或る、川の方へ向かった。


 「綺麗な水だー。魚が泳いでるし、蛍も居るよ。」


 滝が流れている。急流だ。


 「魚釣りでもするか・・・。」


 バルマが言った。


 「そうだな。」


 ベムは、バッグを取り出して、釣竿を三本取り出した。


 「此処の川は、巨大魚が釣れる。其れを釣って、その後料理して、腹ごしらえをして、から、更に奥に進もう。」


 「そんな道草喰ってっていいんですか。」


 「駄目だね。確かに。」


 「ああ、駄目だな。」


 画レ虚に注意されてしまった。


 「先を急ぐにしても、此処何処だ???。」


 「え!迷ってるんですか?。」


 あの、何でも知っていそうなベムさんが迷った事に画レ虚は驚いた。


 「バルマさんは、どうなんですか?。」


 罰の悪そうな態度を取って、首を振っている。


 「まさか、迷子―――――――!!!!!!。」


 「此れが、魔界地帯って奴だよ。地図があっても、森は形を変える。だから、道は複雑に入り組んでいて、迷う。」


 「此の川を上っていけば、上流、奥へたどり着くだろう。」


 私たちは、川の水の流れを頼りに、上っていった。


 「此の川此処で途切れてる・・・。」


 其処は、岩でおおわれていた。


 「どうやら、最近新しい水源が出来たらしい。此れは、洞窟、遺跡地帯に繋がっていない。」


 けれど、発見はあった。其処には、岩で出来た建物があった。


 「初めて見る建造物だ。」


 訪ねてみる事にした。

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