8 文殊画レ子はベムさんと魔法都市クルッススを、観光したり、買い物をする。

 そうして、また一週間いっしゅうかんが過ぎ。遂に、テレゴンの引くかごに戻って来た。


  「未だ、不安は残るが、あとは、実践じっせんで強くなっていこう。」


  「もうすぐ、クルッススが海が見える。」



 クルッスス ようこそ 職人しょくにんの町 クルッススへの、看板かんばんが見えた。商店街しょうてんがい交差点こうさてん、工場、工房こうぼう、家、港、発電所、市場、そして中央の超高層ちょうこうそうビル、其れは、千メートル近くあり、天上てんじょうが見えないくらいだ。


 「なんて街だよ。常識じょうしき外れだ。」


 「これが、反転世界はんてんせかいの常識だよ。」


 ビルについている大型ディスプレイでは、何かの商品のコマーシャルや、ニュースが映し出されまるで大都会の様であった。

 

 クルッススは商人と、腕利きの職人の集まりによって創られていった街で、経済が発展している国だ。


 王は無く、烏衆うごう と言われる 十二人の集まりの会議により街の政治は決められている。


 街の大きさは日本の四国の面積位で、西に百キロ程進むと、海が或る。


 沿岸部には港や、発電所、工場があり、内側に行くほど、都会に成る。人口は、千人程度で、此の世界に移り住んだ者自体一万にも満たず、少ないので或るが、其のうちの一割は此の地に住み着いているとされている。

 

 クルッスス街工場地帯の或る西沿岸部にしえんがんぶのバアモンデ地帯、更に西に進んだ南沿岸部みなみえんがんぶには


 ゲルド魔道具生産所まどうぐせいさんじょ



 最西端にガル港都市圏こうとしけん



 北沿岸部 べりオット 貿易港ぼうえきこう 中央都市 ヒルーパークがある。

 

 「ベムさん。此の世界で、子供を残したりする人は居るのですか?。」


 「出来るが、生まれた子供はこの世界には居られない、直ぐに実世界に転移てんいさせられる。能力者しか、此処に留まる事は出来ないからだ。」


 「じゃあ、此処に住んでる人達は、違う世界から来た人たちの集まりなんですね・・・」


 「そうだ。実世界の地球の人口だけでも七十億、実世界の全人口は、軽く一兆いっちょうを超えているだろう。其のななからこの世界に来られる能力者はたったの十万程度。其のうちの五割は此の反転世界で猛獣もうじゅう怪獣かいぶつ、未知の力によって死ぬ。」

 

 摩訶不思議地帯での過酷な道の為の準備に買い物をする事になった。


 画レ虚はイメージの力をよりリアルにする為に、自分の装備する武器や防具、アイテム、を買って、それらを視て、聴いて、触って、描いた、そうして、状況に応じて変化する武器 バーリーアンドチェンジを完成させようとしていた。


 あの二週間の訓練で、自分の弱点が分かった。


 全く歯が立たなかった。


 イメージが弱いせいで、相手の攻撃を防げず、此方の攻撃も通らなかった。ライフル銃のイメージで、ライフルを打つ、爆弾のイメージで爆弾を出す。其れを使い熟す修行。そして、鬼ちゃんや、メロンの具現化された別人格も更に自分の意志や感情、感覚に伴なっ て強くなっていった。


 しかし、未だ完成していない。


 あの、技を完全にしなければ、実践で死ぬ。


 「此の世界のアイテムを一通り覚えて置け、此れは、回復液、此れを掛ける、又は飲むと傷や疲れが回復する。ってちゃんと聞いてんのか!!!てめえ!!!。」


 画レ虚は、イメージに集中し過ぎて、話が入ってきていなかった。自分だけのオリジナルの武器や防具を創る。其れが課題だった。


 「物理攻撃ぶつりこうげき化学攻撃かがくこうげき、の練習には専門書を読むと言い。此の世界の魔道が理解できないのは仕様の無い事だ。勉強していけば、できるようになる。ほら、プレゼントだ。」


 物理化学ぶつりかがく手引てびき と言う本をプレゼントされた画レ虚。


 「ありがとうベムさん。頑張るよ、私。」


 此の世界でも、実世界の科学知識や学問の知識は重要だった。


 特に私の能力は・・・。


 イメージを正確にするために、まず、物理法則を理解する必要があった。其の為に物理化学、数学の勉強を必死にしている。

 

 「良し、買い物も済んだ処で、行くか。摩訶不思議学校へ。とその前に 



 ガル港都市圏の鴎公園かもめこうえんに行かなきゃなんねー。



 友達のバルク・マーストが同行する事に成ってたんだ。



 バルクは俺とこの世界に来た時知り合った親友で、雅楽さんに頼まれて二人で調査する事に成ってたんだ。 悪いが、鴎公園迄付いてきてもらうぞ。」


 「はい。」


 そうして、テレゴンに乗って、鴎公園へ行きました。


 「凄い。此の港!!!。」


 其処には、海底列車かいていれっしゃと言うものがありました、戦艦せんかんのような巨大な舟に、漁船ぎょせん潜水艦せんすいかん停泊ていはくしており、空港もありました。

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