第32話 男子高校生共の会話は大抵しょうもない

「なー。」


「ん?どうしたの?」


「いややっぱさ。」


「ほう。」


「伊織ってモテるよな。」


「エ"。」


「いやー、今日もなんか告白されてへんかった?ほら、横のクラスの小林に。」


「あぁ…そうだね。」


「やっぱモテる男はちげぇよなぁ。」


「う…、ん。」


「ん?なんかちょっと怒ってる?」


「怒ってなんかないよ!」


「まぁ軽率な発言はすまん。伊織でもやっぱ毎日頑張ってこその、やもんな。」


「そ…そうだ…ね。」


そうだったーー!まだ景一はボクのこと男の子だと思ってるんだったー!


ま…まぁ、ボクも一応女の子に見られるように努力してる…のに…、いつも告白してくれる子は事情を知らない他クラスの女の子。


勇気出して告白してくれるのはすごく嬉しい。でも…ボクにはもうとっくに昔から心に決めた人がいるんだ!だから…すごく申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「でさ、疑問なんやけど、お前なんでフるんや?今までの告白ぜんっぶフってきたんやってな?すごいな。」


「やっぱ…さ、ボクにもす…好きな…子がいてね…。」


「ほうほう!それは気になるぞ!!!伊織の口から初めて好きな人があるとか聞いたぞ!」


あ…ちょ…クラスの視線がちょっと…!やめてぇ…恥ずかしい!


もうクラス中にはバレッバレ。知らないのは景一ただ1人。なんかもう、ボクたちグルで景一を仲間はずれにしてるみたいになってるけど、それは大丈夫。景一は溶け込むのが早すぎるから安心。


「いや…景一には教えない!口滑らしそうだもん。」


「えぇ、ええやんかー。おる宣言して教えてくれへんのが一番ムズムズすんねんぞ?もうマジで教えてくれな夜しか寝られへんわ。」


「てかその夜すら寝てないじゃん。」


「確かに…。」


「って、鍵刺されててなんにも言わないじゃん。」


「えだって事実やから…。」


「ま…まぁ!景一には教えないよーだ。」


「俺知ってるぜぃ!景一!」


「おお釘本!知ってんか!んじゃあとでこっそり…」


釘本ー!コラー言っちゃダメじゃーー!


ダメ!目の前がグルグル回ってくる…だめだめ!正気を保て伊織!


「釘本ぉ!ダメぇー!」


「サイッテイね…釘本。」


「その根性、やるねー?」


「すんませんした。」


「てかお前ら知ってんかよ?その雰囲気やと。」


「い…いや?わ…わたしは知らないよー?ね、ねぇー?鍵塚!」


「そ…そうだよわ…私はしらない。」


「なーんや、女子は知らんのかい。って、男で知らんの俺だけやーーん!!」


な…なんとか回避はできた。危ない危ない。釘本、戦犯かますところだったね。


ボクが男の子って思われてて会話されるのすごいムズムズするぅ〜。


「てかトータル何人よ、告白されたの。人生で。」


「えぇ…ええっと…」


うぉーー!クラス中の視線が〜!ボクを殺しにきてるぅ〜!


「37人…?」


その瞬間クラス中の時間が止まった気がした。


「お前…、…っえ?」


「嘘でしょ…マジー…?」


「え…うん…。そう…だよ。」


『はあぁぁぁーーーー!?!!?!??』


クラスのみんなが咆哮した。


「お前そんな膨大な数の女の子を…!」


「フって…きたんだ…。」


「やばいな…!」


「ま…まぁそらすげぇわ。伊織さすがやな。」


「う…うん。」


「あちょっとお前ら女子耳塞いどいてな。」


「うん!いいよー。」


「わかった。」


「いややっぱさ、そんな伊織でもオナニーはするんやでな…(小声)。」


え、ええいや…ええっとうぅ…いやちょっと…え?


そうだったー!景一はこんなやつだったー!


「まぁ俺はするけどな!あっはっはっは!」


「釘本、お前には聞いてねぇ。」


「すんません。」


「いやまぁ俺もするんやけどな!」


「だよな!」


「で、やっぱ伊織もするんやろ?ちなみに俺はmmdが大好き。」


「ええ…ええっとうー…んいやあぁっと…。」


ダメ、恥ずかしすぎて言えない…!


実はこっそり…景一とそういうシチュエーション妄想しちゃったりしてたとか…。それで2日に1回はシてる…とか!絶対言えない!


てかボクはどこまで破廉恥でバカやろうな女なんだぁ〜〜!!!!!


いいいや、でも妄想は…いいでしょ!ほ…ほら憲法でも保証されてるし…!

第一、ボクも思春期真っ只中の女の子なんだからね!仕方ない…よね!


ちょっとクール感出してる(らしい)けど、全然思春期お出迎えさんの女の子なんだからね!好きな人で…そういうのするとか…やっちゃだめ…とかじゃないよね!自己暗示自己暗示。


「さぁ伊織くん、答えてもらおうか。昨日、何でシた?」


うーーーーーーん!昨日は…景一とのシチュ妄想してから…携帯でちょちょいと調べて…某Xハム…mmd…とか恥ずかしくて言えない!


てか趣味景一と被ってるぅーー!嬉しい…けどなんか恥ずかしいぃ〜!


「mmd…で…シまし…た。」


「おぉ!やっぱ伊織もmmd好きやったんか!」


クラス中カチコチ。


景一ー!声がでかい声が!もうちょい下げないと…ボクの性癖が…。プライバシーが…。


「ちょ、景一声がでかいよぉ〜!」


「いやーすまんすまん。趣味被ってたなんか思ってへんかったから。」


「そういやまだー?わたしたちまだ耳塞いどくのー?」


「つかれたよ…。」


「あぁ!もういいぞ!」


はぁ…ほんと死にたい。ここまで暴露されて辱められたのは初めてだよ…。誰にもボクのアッチ系の動画の趣味言ったことなかったのに…。


「うーん、いやーまさか3Dもんが好きやとはなぁ…。」


「俺もびっくりしたぜ!あっはっは!」


「うるさい。」


「すんません。」


「あ、そう言えば聞いてへんかったけど、釘本は何使った?」


「某PHだな!」


「あぁ、最高やね。」


ボク…話分かっちゃう。この話…わかっちゃう。某PHは…よく…みる。あぁ…恥ずかしい。


「伊織もようみるやろー、知らんけど笑笑。でもやっぱりiwaraやでなぁ。mmdならなおさら。」


「う…。うんそう…だね!」


「やんな!」


あぁ、もうiwaraとか常連だよぉ〜!!!!!

mm3○77様の動画とか神すぎて毎日見てるよぉ〜!


あーーー!!!もうどうにでもなれー!!!



その後授業が始まるまで、iwaraについて景一とアツく語り合った。

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