第8話 下校のなにげない会話

________キーンコンカーンコン


「いやぁ〜やっと一日終わったぁ〜!」


「初日から疲れたねぇ。」


「いっやほんま疲れたわ〜特になんもしてへんけど笑笑」


「ほぼ寝てただろ。」


「ちゃうねんちゃうねん、俺は夢の中で授業受け」


「はいはい、言い訳いいから。」


「弁解させてくれ最後まで。そんなん俺がレベルの高い合格点を超える睡眠、オールウェイズ」


「出してるじゃん笑笑」


「確かに…!って言ってる場合か!帰るぞ!早く!」


「そうだね、帰ろうか。」


俺たちはチャイムが鳴った後にすぐ外に飛び出した。

やっと高校生活がスタートした。なかなか疲れるものである。

いやはや、高校生はこんなしんどいことをしているのか。よく楽しめるものだ。感心する。

いやしかし、俺がずっと寝てるのが悪いのだけれどね。


「そういや、お前家どこなん?」


「あぁ、ボクの家ね…どう説明しようか。」


「あっそうそう!今朝出会ったコンビニあるでしょ、そこの裏の裏…ってまぁ大体そこらへんだよ。」


「はぇ〜コンビニから近いってええな!」


「ちなみに俺の家はな…そのコンビニの前の通りずっとまっすぐいった左手にあるぜ。」


「へ〜そうなんだ。いや、別に無関心なわけじゃないよ!?笑笑」


あ、ちょっとは関心あるんだな。


「あぁ、もちろんさ。まぁお前んちに遊びに行きたいとは思うけどなぁ。」


「え…えボクの家…?」


「うん、のちのち家でゲームしたりしようぜぇ。」


「う…うん…いいよ…。」


「あれ、人あげるの嫌か家に。」


「ううん!!いいよ!全然!!」


「そうかそら嬉しいべ。んじゃコンビニあたりで解散になるんやな。」


「そうだね。とりあえず歩くか。」


俺たちは橙色の晴れやかな空の下、歩き出す。



___________


うぉーーー!景一と2人きりで下校とかいうよくあるシチュエーションではないか!、などというラブコメ脳の働くボク。


正直かなり緊張している。でも友達なんだし、緊張する…必要もないけど!なんか意識しちゃうよね。


「あっそうだ。コンビニにまた寄ろうか。」


「おっ、ええなぁ。なんか腹減ってくる時間帯やし。なんかサンドイッチかなんか食うか。」


「まぁまぁ食べるね笑笑。おやつかなにかボクは買おうかな。」


「俺ポテチ食いてぇ〜!せやせや、でかい袋のやつかって一緒に食うか!」


「お…う、うん!いいねそれ!」


「どうした、金やったら俺出すぞ。なんてったって今俺のふところぬくぬくやからなぁ。」


「頼もしい…って奢ってもらうのもアレだし…」


「ええよええよ、友達が困ってんやったら助けんのが普通やろ。まぁまぁ奢ってもらっとけ。でもどうせ2人てわけるんやし。」


優しい。ボクは景一のこういうところに惹かれたのかな。天然に、心が温まるような、惚れるようなことを平気な顔して言ってくる。そんな性格の芯まで優しさに満ちた景一にボクは一目惚れしたのかな。

ボクはそう思う。


「んじゃ、奢ってもらいまーす!」


「おうよ!任せとけ。」


ボク達はコンビニへ入る。


__________


「そういや、伊織って兄弟姉妹とかっておるんか?」


「え、急にどうしたんだ。」


「いや俺な、こういうのなんか気になってまう人やねん。よし!当てるわ。」


「俺なんとなくの勘で誰おるかって当てれんねん。」


「おっ、面白いねぇ。さっ当ててみよ!」


「兄貴あるやろ。」


「おおお!すごいな、あたりよ。」


「っしゃぁ!!!久々に感触あったわ。」


「いやすごいよ、よしそしたら次はボクのターンだよ。」


「おっあてれるか?」


デデン、これが解答よ。

さぁ伊織よ、当てられるか?

俺には2人の妹弟がいる。

妹は2つ下で、絵実という。

弟は5つ下で、亮太という。


流石に2人いるとは当てられるまいと俺はにやける。が、


「弟と妹いる顔だねぇ?ボクも実はなんとなくわかっちゃうんだよねー。」


うそだろ、当ててきやがった伊織め…。

俺は驚嘆した。俺以外にあてられる奴がいたとは…!


「お前…正解だ。やるなお前…。」


「へへーん、すごいだろ。」


「いやなかなかやるなお前笑笑。すげぇわ。」


これはたまげた。やっぱり伊織は不思議な奴だ。


「まぁまぁ、そんな話もおいといて、ポテチ食うか!歩きながら笑笑」


「そうだね!ささ、開けてくださいまし。」


俺たちは歩きながらポテチを頬張る。


「うめぇ〜〜〜!やっぱこの塩っけたまらんな!」


「いや〜うまいねぇ〜。お肌悪くなりそうだけど。」


「そんなん気にすんなや!お前肌クソ綺麗やろがい笑」


「え…えボクお肌キレイ…?」


「マジ尊敬並に。」


「そ…それはありがとう…。」


「なんかよそよそしいな笑笑。誇らしく思った方がいいくらいキレイぞ。」


「ありが…とう…。」


まぁそんな話も交えて、


「まぁ!宴もたけなわではございますが。」


「ボクの家についたね。そう、ここだよ。」


「暗記しときます。ってことでー!んじゃねぇー。」


「ありがとうね〜!また明日ー!」


俺は俺の旅路につく。












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