第3.5話 人に触れられるのって…①

柔軟体操…非常に怖し!

ボクは人に体を触られることにすごく敏感なのだ。そしてものすごく恥ずかしい。


なのに、


「いくぜぇーー!!」


掛け声と共に景一がボクの背中を押したのだ!


「ヒヤァッ!」


思わず声をあげてしまった。


なんともむず痒いこの感じ。そして敏感に反応するボクの体。


顔は完全に火照ており、体が痙攣している。


でもなんだろうか、この感覚。

自然と嫌な気持ちにはならないのだ。

そして伝わってくる手の温もり。

なにか落ち着いてくる気もする…包容力というか…。


(もう…離してよぉ…弱いんだよぉらこういうの…でもなんか…嫌…ではないなぁ)


そうこうしてると、


「って…おいおまえやっぱり熱あるんじゃねぇか?顔あけぇぞ。」  


バレていた。必死に隠そうにもできない。

正直かなり恥ずかしい。


「へっ!?そ…そんなことないよ!」


咄嗟に返したものの、うまく返事ができない。へんな声がでちゃう。


「お前なんか震えとるぞ。マジで大丈夫か?」


「大丈夫だい!なんもないよ!」


頑張って返答するも、ちょっと強気になってしまう。

どうか悟られないようにしないと。


「そら…よかったけどよ…しんどかったら保健室行けよ。」


だから気遣いはありがたいんだけど、景一のせいだからね!


まぁそうこうしてるけど、決着はついてはないもので、景一に後のことを決めてもらうことにした。


「弁当分け合いっこ」


これが採択されたのだ。実はボクは自分で弁当を作っているのである。なので…ボクの弁当を見られる…食べられるのが…恥ずかしい。


でも引き分けの結果。乗るしかないのだ。


でも景一の弁当もどのようなのか気になるところではある。好きなものとか…


いやいや何考えてるんだボク。


なぜか景一といるときは、ボクの女の子らしさが出てしまう。

景一は男友達としてボクを認識しているはずなのに。ちょっとしたことにボクは弱いな。


でも逆に、ボクでも知らなかった自分の一面も知ることができる。

やっぱり景一はよくわからないやつだ。


こんなことをボクに考えさせるのだから。


さて、次は本格的に授業が始まる。

ボクたちは授業に臨むのだ。



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