第2話

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和子は 嬉しくて嬉しくてたまらなかった!気の食わない真弓に やっと一泡ふかせてやった!子供の頃からずっと気に入らないやつだと思い続けて来た。やっとやっとやっつけられて、嬉しさで興奮していた!さっきの真弓の顔!‥思い出しただけで 楽しくなる。「真弓の顔ったら 固まっていたヨ!」自転車で帰る道すがら、思わず鼻歌が出てしまう。

自分は弟2人の長女、学校から帰ってランドセルを置くなり、母や祖母の手伝いや弟の世話をさせられ、遊ぶ暇もなかった。独身時代も 働いて家にお金を入れなければならず、流行の服やバックも買えなかったのに あいつはいつも綺麗な格好をして、ツンとしていた。今も父親に買って貰ったらしい 三ナンバーの新車に乗っている。同じ長女なのに 生まれた家が違うだけで こんな不公平な事が有って良いはずがない。でもさっきは 本当にスカッとした!!

家の車庫から 夫の車がバックで出ようとしているのが見えた。車庫から道路迄は 緩やかな坂になっている。夕暮れのこんな時間から何処に行くのかな? 夫に声を掛けようと 片手ハンドルで「オ~イ!」と笑顔のまま 左手を挙げた。

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