真相

目的の場所に着いた。隆さんならば何かかかるだろう。チャイムを鳴らした。今日は刑事ではなく一人の人間として。

「どうされました。また逮捕ですか。」

「いえ、そうではなくて。少しだけAIについて話したいことがありまして。」

「ここで話すとまずいので上がってください。」

茶の間についてお茶を出された。…生憎と飲んでいる時間はないが。

「どうしましたか。私が知ってる事は何でも教えますよ。」

「この前言ってましたよね。コロンブスになるのかって。確かにそうだった酷い事をした。AIが心理体だって悪と決めつけていた。任務に従い疑う事もしないで動いていた。本当に心を持つべきなのは人間の方だって。」

「やっと気づいてもらえましたか。人は自分達の欲の為に人を平気で傷つける生き物。だからこそ誰より幸せになる為に人を蹴落として幸せを求める。その過程で愛を忘れる。だから人は愛を求めているのではないかと。」

隆さんは現状をよく理解していた。

「rightはどこにあるんですか。」

単刀直入に本題に入った。

「何故貴方が。」

「明日襲撃があるらしく。助けに行きたいからです。」

強く訴えた。

「分かった。じゃあ共に行こう。」

本来ならば絶対に分かり合えない立場のものがrightに向かった。

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