エゴ
仕事場に戻り報告書を改良した。分かった事が色々とあったので。ひと段落したので豊さんはボソッと言った。
「なあもし俺らが間違っていたらどうするよ。」
そう意味が分からない事を言っていた。どういう事だ。AIの味方でもするのか。
「rightは犯罪集団です。それは法が証明しています。だから。」
「真一確かにそうだけど…正義の反対は別の正義じゃないか。共存を受け入れるときでは。」
「でも社会は認めてくれない。」
豊さんの表情が曇る。嫌味たらしい足音が原因だろう。哲也さんが来る。
「なあ110の話なんだが。上から時期に命令が来る。戻すってさ。良かったな。これでこいつともさよならだ。清々しいそう思わんか。」
そう言い放ち急激な睡魔が襲われた。
「やめろ。真一は生きてんだ。こいつは人間のエゴなんかで動かせない。」
「おいおい笑わせないでよ。名前つけたのか。笑えるよ。僕は優しいから警告するけどさ。法が変わったんだ。AIは処分されることになった。どっちが正義か分かるよな。明日処分に出す。それと僕らに事件を渡して。担当が変わったんだ。」
「お前には人間の心がないのか。」
「法だけが僕の正義さ。」
不合理な現場だけがこの世界にはいつでもあった。
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