望んだ理想郷

「晃。怒ったか。人間に。」

私に問いかけてくる。私は同胞が殺人にあったと初めて理解できた。

「何故。貴方は優しく接してくれるのですか。…私には理解できません。」

すると黙り込んでしまった。

「答えられないならいいですすいません。夕ご飯作りますね。」

「わしがAIと人間が理解し合い綺麗な世の中を望んでしまったのが悪かった。…今はそのかけらもない。あるのは仕事を取ってしまったAIの逆恨みと無法地帯。…こんな世の中を創ってしまった。だからせめて晃には幸せに生きてほしいんだ。」

私は聞いて驚いた。まさか開発者だったとは。しかも夢見た世界が理想郷だった事も。

「わしは自己的にAIを使う輩はどうにも好きにならん。やけ酒する持ってこい。」

身体のこともあるから素直に渡せないと考えた。

「…身体に気をつけて。もう若くないんですから無理はしないで。」

「ああ分かってる。…でも時には堕落したい時もあるんだ。」

それを聞いて渋々ながら私は頼まれた物を持ってきた。

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