【UR鄭和 列伝クエスト】

中国って、明の時代の方が、現在より人も文化も優れていた気がします。


(モンパサ北拠点)


明国の提督

 書を収めたい。そんな大層なものではない。

 簡単な航海日誌だな。


ロッコ

 ほう、航海日誌ですかい。

 そりゃまた、どうしてここに収めるんで?


明国の提督

 諸君は異人ゆえに話しても良いだろう。

 ・・・・散逸、消失をおそれているのだ。


ニーナ

 散逸・・・・・?


明国の提督

 この航海日誌は、本来ならば明に収めるべきもの。

 だが明の情勢次第では、誰かの手により

 意図的に散逸、下手をすれば焚書されるだろう・


ニーナ

 航海日誌を?


ロッコ

 航海日誌と言えば、旅の記録そのものだ。

 それをわざと失わせるような真似、自分の首を絞めるようなもんですぜ。


明国の提督

 この航海日誌が得難い物であればあるほど

 焚書をしようとする者が現れるだろう。

 自分の身が危うくなるのは構わない。

 だが航海の記録が消失するのは、つらい。

 自分の存在を消されてしまうようでな。


ニーナ

・・・分かります。航海日誌は航海士にとって自分を証明する歴史書でもあるのですから。


明国の提督

 うまいことを言う。だがまさにその通りだ。


ロッコ

それなら協力してやりてぇですな。

あっしらもお手伝いしやしょうか?


 (中略)


鄭和下西洋 


 UR鄭和取得で発生

 調査pt=10 行動力=5


花蓮→モガディシオ→モンバサ→モンバサ北東拠点第1層・異邦人の居留跡を数回発掘→モンバサ北東拠点第3層・朽ちた竜骨調査で「異国の羅針盤(歴史遺物★5)」発掘→絹生地20をモンバサ北東拠点へ→モンバサ北東拠点で資材20000納入→マラッカ→大スンダ列島の海賊船団(★9・5944)撃破→花蓮(報告後にジュエル×10獲得)


ロッコ

なんだよ。もったいぶらずに教えろよ。


ニーナ

明が遠洋航海に積極的ではない、です。

密貿易や海賊行為を取り締まる政策の一環で、海禁令を領民たちに布告していますが・・

基本姿勢として対外政策に積極的ではない明が

こんな大艦隊を派遣するとは思えないのです。


ロッコ

なるほど、なるほど。

んじゃ、あの提督さんは何物なんでい?


ニーナ

・・・・・・分かりません。

明の提督である事に偽りはなさそうなのですが

その出自がどうにも・・・・


ロッコ

・・・ま、分かんねえモンはしょうがねぇ

となると、さしあたって あっしらが対処しなきゃいけないのは海賊だな。


ニーナ

そうですね。もう少し情報が欲しいです。

港で話を聞いてみましょう。


(中略)


(マラッカの沖合)


ロッコ

これだけ深い霧って事は、海賊連中・・・・

まさか異世界の・・・・!?


海賊の頭目

くそ・・・・

てめぇら、何者だ!?

見たこともねえ、けったいな服を着やがってよ!


ロッコ

あいつが歪みの元凶だな?んじゃ、丁重に元の世界に送り返してだな・・・。


明国の提督

その男の名は陳祖義。恥ずかしながら我が国、広東から流れてきた ならず者だ。


ロッコ

へ?


陳祖義(海賊の頭目)

貴様が指揮官だな!?

油断させて襲い掛かるつもりが よくもまぁ、見抜けたものだ。


明国の提督(鄭和)

海賊に褒められても嬉しくはない。


ニーナ

離れてください! あの海賊は、この世のものではない可能性が・・・・


明国の提督

察している。


ニーナ

え?


明国の提督

君たちと話している時、違和感が常にあった。明らかに我々が知らない知識、沿岸ではなく大洋を航行する海洋技術・・・・・・


ニーナ

提督さん・・・!


明国の提督

我々は霧中の航行を余儀なくされ 霧が晴れた時、世界は変わっていた。

おそらくその時、この世界に迷い込んだ。


ロッコ

た、確かに初めて会った時、あの拠点は霧に包まれてやしたが・・・・


明国の提督

そう察した後、なぜ私がこの世界に連れて来られたかを考えていた。

そして今、理解した。理屈ではなく感覚で理解した。


陳祖義。貴様も『迷い込んだ』のだな?


陳祖義

は? わけわかんねぇな、こいつ。

俺はどんな世界にいようと変わらねぇ!

倒して奪う、それだけだ!

全ては大海賊・陳祖義様にひれ伏すのよ!


明国の提督

ならばその迷惑極まりない男を

元の世界に引き戻すのが、私の「役目」だろう。

進め!向こうの霧が深いぞ。霧の奥へ陳祖義を追い込め!!


陳祖義

くそっ・・・!

数にモノを言わせたがって!


明国の提督

その言を却下する。

貴様が頼みとしていた幾万の仲間たちは既に見捨てて逃亡している。

戦いは数だ。だが数だけではない。

それが分からぬうちは、お前は敵ではない。


陳祖義

くそおおおおおおおおおおおおおおっ!!


(陳祖義の船団を追い込みながら、明の提督もまた、霧の向こうへ消えていく)


ニーナ

て、提督さん!!


明国の提督

世話になった。(主人公)提督。ここでお別れだ。


ロッコ・アレムケル

まってくだせぇ!

さぞや名のある提督だとお見受けいたしやす!

名前だけでもお聞かせくだせぇ!


明国の提督

我が名はーーーーーだ。


ニーナ

砲声で聞こえません・・・!

も、もう一度、お願いします。


明国の提督

我が名はーーーーーー


ニーナ

・・・・・・・・!!


明国の提督

我が名は・・・・鄭和ーーーー!



(そう言い残すと、大船団は霧の向こうへ消えていった・・・・)


(旗艦甲板)


ロッコ・アレムケル

消えちまったな・・・・・・


ニーナ

鄭和・・・・・さん、ですか。


ロッコ

・・・・聞いたことあるぞ。

すっげえ前にアフリカで調査をしていた時にな。


ニーナ

ええ。つまり・・・・


ロッコ

つまり?


ニーナ

どういう事でしょう?


ロッコ

知るかよ。そこまで言ったんなら、お前が説明しろい。

あっしが分かるはずねぇだろ?


ニーナ

いつも頼らないでもらえます!?


ロッコ

しょうがねぇ。

いったん、戻って話をまとめようぜ。報告もしなきゃあなるめぇしよ。


ニーナ

どこへ?


ロッコ

決まっているだろ? 全部、花蓮から始まった話だ。そこに戻ろうじゃねぇか。


ニーナ

そうですね。美娟(びえん?・メイジュアン?)さんも何か情報を得ているかもしれません。それに・・・・・あの、謎の女性も。


ロッコ

・・・また会えますかね?

おそらくは、あの嬢ちゃんが言っていた 西に向かった航海士ってのは・・・


ニーナ

私たちと一緒にいた、鄭和さん、ですよね?


ロッコ

一応、依頼を解決したんだ。顔くらい見せて欲しいもんですがねぇ。


ニーナ

それも含めて花蓮に向かいましょう。

どんな形でもよいので、結論が出ればよいのですが・・・


(花蓮の酒場)

美娟

ずいぶんと遠くまで行ってたんですね。なかなか帰ってこないので心配しました。


ロッコ

まさかアフリカまで行くとは思わなかったからなぁ。さらには海賊退治までだもんな。


ニーナ

本当にそうですね。

・・・・美娟さんは、あれから何か有益な情報は入りましたか?


美娟

その件ですが、ここを訪れた航海士さんが話をしてくれました。

みなさんとも面識のある方のようでしたが・・・


ニーナ

私たちと面識が・・・?


ロッコ

へぇ、何という名前の航海士で?


美娟

張陽明、と言う方です。ご存知でしょうか?


ニーナ

え・・・・張陽明さん!?

知ってます、知ってます!!


美娟

ええと、確か・・・


(ーーーーー数週間前)


張陽明

おかしいですね。明からそのような調査船団が出発したという報告は受けていません。

仮に極秘任務だとしても、天竺を超えての調査航海ともなれば大船団・・・

人の口端に上がらないはずがないでしょう。


美娟

そうなんですか。ちなみに最後に調査航海に出たのはどなたですか?


張陽明

鄭和という偉大なる提督です。私の祖父も彼の船団に乗船していたと聞き、

私もいつか同じような大航海をと・・・!


美娟

は、はぁ・・・・


張陽明

以前、(主人公)さんから、彼の航海日誌をみせていただきました。

はるか遠い場所で手に入れたらしいのですが・・・

そんな場所まで鄭和提督は到達してたと思うと、胸が躍ります!

美娟さん、そう思いませんか!?


美娟

そ、そうですね。張陽明さんの熱意があれば、いつかはきっと願いは叶うかと・・・・


張陽明

しかし、凄いですよね。そんな場所にきちんとした書物庫があり、残っていたなんて奇跡的です!


ーーーーーーーー


と、まぁ、こんな具合に興奮状態で かつて西方に向かった鄭和という方について

熱く語っていかれました。



ニーナ

相変わらず探検のことになると興奮していしまうようですね・・・

何だか安心しました。


ロッコ

その話からするとよ、あっしらが会ったのは異世界の鄭和提督って事になるぜ。


ニーナ

そうなりますね。


ロッコ

んでもって、図らずも航海の手伝いまでしちまったわけだ。モンバサ北東の拠点でな。


ニーナ

・・・あの、ちょっと思い出したんですが、あの遺跡・・・・・元々、ヨーロッパの技法が取り入れられてましたよね?


ロッコ

おう、そうだったな。ん・・・つまり、どういう事だ?


ニーナ

もしかして、私たちが設営したものを

私たちで掘り返したんじゃありませんか?


ロッコ

おいおいおい、ちょっと待って。そりゃ時間の経過がおかしいだろ。

あっしらはきちんと今の世界にだな・・・・


ニーナ

最後、書物を収める時に私たちは同席していませんでしたよね?


ロッコ

うっ・・・・・・


ニーナ

それに覚えていますか?

最後、モンバサ北東拠点から出立する時、それまでなかった霧が出ていたのを。


ロッコ

おお、そうだったな。そうだったな!


ニーナ

あの霧は異世界へ通じているという認識・・・

それは間違いありませんよね?


ロッコ

おう、それがどうした?


ニーナ

私たちは こう考えていませんでしたか?

いつだって、霧の向こうから「やって来る」・・・・と。

でも、こういう考え方もありますよね?

こちら側から向こうの世界に「行く」という可能性もある、と。


ロッコ

ん・・・つまりは鄭和提督じゃなくてよ。

あっしらの方が変な世界に迷い込んじまった可能性もあるって事かい?


ニーナ

そういう事です。

霧の向こう側というのが、過去の世界だとしたら どうします?


ロッコ

あの書物庫を作って鄭和提督の航海日誌を収めたのもあっしらなら、

そいつを掘り返したのもあっしら・・・・か?


ニーナ

頭がこんがらがってきますね・・・


ロッコ

またモンバサに行って確かめてみるかい?


ニーナ

やめておきましょう。

また変な状況に巻き込まれるのはごめんです・・・


ロッコ

・・・・・・だな。


美娟

えーと、お話は済んだ?


ロッコ

おっと、どうしやした?


美娟

ひとつ、言伝があるの。(主人公)さんたちが戻ってきたら、これを渡してくれって。


ニーナ

これは・・・・・・・・・10ジュエル、ですか?


美娟

少ないですが報告が終わったら渡してくれって。とても品の良くて気品のある、

なんか、こう、女神様みたいな人でしたよ。


ニーナ

それって私たちが郊外で遭遇した・・・・・?


ロッコ

女神様、ねぇ・・・・。

まったく不思議なことが続くもんだぜ。

本当に女神様だったんじゃねぇの、あの子・・・?


ニーナ

ま、まさか・・・・


ロッコ

いいや、わかなねぇぜ。

・・・まったく提督のお側にいると不思議な体験にゃあ事欠きませんなぁ・・・・


【UR鄭和列伝クエスト 終わり】

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