地に堕ちた幼馴染と俺と世界と愛と.....。(上下で完結)

アキノリ@pokkey11.1

終わり行く世界

上 必要ないものは山春の為に処分するだけだから

空は青でそして雲が流れている.....様に見えるが。

この空が.....ただ今は灰色にしか見えない。

金色の太陽が空の彼方に見える中。

俺、遠野山春(とおのやまはる)17歳。

3月12日の夕暮れ時。


高校2年生の県立高校生の俺は.....近所の公園で夕日を感じながら目の前の狂気に満ちた幼馴染と向き合っていた。

幼馴染は相変わらずニコニコしている。

あまりにも無邪気過ぎるその姿に.....逆にゾッとする。

何も.....俺以外何も受け付けない様な.....その女に。


この幼馴染の女の子の.....事は昔は好きだったと思う。

だけど今は違うと思っている。

たまに裏返しになるのだ。

言うなればコインの裏表の状態の精神。

血に染まっている.....状態である。


全てコイツがやったとしかないと.....今は思う。

俺の周りから3人の女性が死んで消えたが。

何を言っているのか。


そう。

コイツが全員の女子を殺したのだ.....恐らく。

俺の後輩が死んだ事も含め全部、だ。

俺は涙を浮かべた。

悔し涙を。


「.....後輩は列車自殺したのか。.....それはお前.....本当か」


「.....いや.....まあしらないけど.....でも後輩ちゃんの件は残念だと思ってる。.....まさか試験で悩んでいて本当に自殺するとは思ってなかったから.....」


「.....だが!!!!!俺の近付いてきた女子生徒が行方不明になったのは。.....調べたが俺に近付いてきた奴はみんな.....行方が.....死んだりしている!」


「.....被害妄想が凄いよ?みんな都合が悪かったんだよ。.....みんなね.....」


「.....本当かよ?.....いや。それは無い。俺はまともだ。.....だが.....お前は.....本当に.....本当に化け物だ!悪魔だ!俺に近付くが為に.....!」


俺は涙を流しながら膝から崩れ落ちて訴える。

しかし幼馴染みの東山扇(とうやません)17歳。

とても.....可愛い童顔が僅かに残っている様なその幼馴染は.....今。


笑顔で俺を見てきていた.....本当に信じられない。

扇の周りで起こった火事を装ったのも列車自殺事故も.....行き着いた結果。

全部コイツの仕業かもしれないのだ。

悪魔だ.....悪魔に魂を売ったとしか思えない。


「.....私は君が心配なんだよ。.....こんな目に遭っている君が。.....だから公園に来たのに酷い言い方だね。.....でも大丈夫だよ。.....全部ぜーんぶ私が可哀想なのを拭ってあげるからね.....」


「.....何でだよ.....頼むから元に戻ってくれ.....扇!!!!!」


膝を曲げて必死に嗚咽を漏らす俺。

しかし幼馴染は.....全く気にする事無く。

俺に手を伸ばしてくる。

全く気にしない感じで、だ。

大丈夫だからね.....私が居るから、と。


そう言ってくる。

もう駄目かもしれない。

俺の精神が保たないかもしれない.....。

考えながら俺は夕日が照らす中。

ただひたすらに号泣した。



ある日。

俺の後輩は試験に悩まされて?自殺した。

ただひたすらに俺が好きだと言ってくれた女子が、だ。


相談に乗ってくれていた女子は火事で死んだ。

俺は.....どんな望みがあるのだろうか。

思いながら.....過去を思い出す。

絶望の過去を。

幼馴染に向き合うまでの過去を。


ーーーーー


俺に近付いて来ていた可愛い後輩。

付き合っていたのだが.....突然.....列車に撥ねられて自殺した。

田中幸菜(たなかゆきな)16歳なのだが。

とても良い子だったのに。

享年16歳。


幼馴染にこの子と付き合ったよ、と笑顔で報告してから.....幼馴染はこの子を敵視し始めて全てが狂った。

先ず幼馴染はよくちょっかいを出す様になる。

それからだった。

歯車の全てが狂い始めたのは、だ.....。

思い出す。


今年の2月6日。

後輩が電車の踏切で座っているのを。

それで.....そのまま列車に轢かれて.....死亡した。


俺はその事に多大なるショックを受けた.....のだが。

ニュース記事を読んでいたり。

色々な情報を調べたりするうちにふと.....何かおかしな点に気が付いた。


それは.....頭の額に外傷?

つまり生前に何らかの殴られた傷が有った.....のでは無いかという事。

これは色々な人に取材をした結果だ。

俺は新聞部だったので、だ。


だけどそれは列車で遺体がバラバラになってしまった事により。

その傷は生前のものかどうかも分からなくなっている。

自殺の為?体操座りで座り込んでいた、という話がある程度で、だ。


警察も捜査はその点の事については遺体が列車で切断されてバラバラで損傷が激しい為に行っていない部分が多いのだ。

転けた、という事で。

自殺の時に踏切で躓いて転けたのでは無いか、という事である。

警察の結論はそう出た。


だけど先ず殴られた?様な傷が転けるだけで付くだろうか。

それから.....考える。

顎に手を添えながら、だ。

思いながら陰ながらバラバラになったピースを当て嵌めていく。

その中で.....一つの結論に行き着いた。


ある日の事だ。

幼馴染の家に向かって.....その時に。

丁度.....幼馴染が席を外した時に、とある物を机の中から発見した。


それは.....手に嵌めるナックルの様なもの。

俺は、?!、と思いながら幼馴染に聞いたが。

それは玩具だよ?、とすんなり答えていた。

まさか、と思ったのだが。

いや.....でも本当に、まさかな、と思う。


「.....」


冷や汗が噴き出る。

俺は.....ゾッとしながら、いや。まさかな、と否定したのだが。

その2月6日をきっかけに.....。

周りから.....俺を好きという感じで気に掛けている人が.....消えた。

次々に、だ。



結局.....後輩は自殺という形になった。

俺はその事で相談していた人が居る。

それは2年生で同クラスの山吹豊子(やまぶきとよこ)17歳。

2月16日に火災で死んだ。


享年17歳。

俺を、可哀想、だと必死に構ってくれたお姉ちゃんみたいな存在だったが。

住宅火災でそのまま亡くなった。


正確には、一酸化炭素中毒、という形になっている。

仕事をしていた火事に気付いた父親などや愛犬もそのまま気が付くのが遅れた?らしく火災で焼死。

巻き添えになって亡くなっている。

そして.....幼馴染も一酸化炭素を吸い込んだりして負傷した。


しかし俺は.....この事についてもおかしいと思った。

何がおかしいかと言えば。

住宅火災は火災だが.....何が起こっていたか。


ニュースで知ったりしたが.....これは家の中にあるタバコの火と可燃性の油のゴミ袋に入っているものの不始末とされている。

側に置いてあった段ボールに燃え移ったそうだ。


その家のゴミ袋が置かれていた場所に有ったゴミ袋から発熱している形跡があったから、だ。

その為に窒息した、とされるが。

結論から言ってこれもおかしかった。


何故なら.....豊子の遺体は肺に一酸化炭素がそんなに入っていない。

つまり吸い込んだ形跡があまり無かったから、だ。

どんな手を使ったかは.....後程に知る事になる。


実はタバコなら幼馴染も入手は可能だった。

何故なら父親が.....スモーカーだったから、である。

そして豊子の父親もスモーカーだった様だ。

豊子の父親か幼馴染の父親から盗んだのだろう。

タバコの1本や2本無くなっても.....気が付かないだろう。


その中に.....油とタバコの残り火が.....態と入っていたとしたら。

それを置いたのが豊子を敢えて気絶させての幼馴染だとしたら.....?

顔馴染みがゴミの全てをすり替えて置いたとしたら.....どうなのだろうか。

これは隠れた放火なんじゃないかって思ったのだが。


「大丈夫だよ?山春。私が居るから。だから安心して.....全ては....上手くいくよ」


「.....」


汗が止まらない。

そして後に気が付いた.....というより知ったが。

人は首の後ろ側。

そこに針で刺して到達すれば脊髄で酸欠させるのが簡単らしく。


所謂.....そこに急所がある。

そこを狙ったのでは無いかと。

警察も窒息は一酸化炭素によるものだろうと判断してしまった。


生き残った幼馴染は常に笑顔だった.....。

それどころか火事を防いだヒーロー扱い.....である。

この世界はあまりにも狂っている。

人が死んでいるのにこんな笑顔なんて、と思う。



どうしても俺と付き合いたいらしかった。

幼馴染は、だ。

だから陰湿な手段を取り続け。

地に堕ちたんだと思う。

実際、証拠を掴んで無いので分からないが。


「.....」


みんな死んでいった。

俺はその事に涙を浮かべるしかなく。

悪魔をただ見る事しか.....出来なかった。


その中で幼馴染は全く気にせず。

笑顔で俺を誘惑する事をしてくる。

俺は幼馴染が危険すぎると警察に訴えたが。

証拠が無いと相手にされない。

絶望しか.....無かった。


それから2月18日。

運命の日となる。

俺達は幸せになるのか。

絶望になるのか。


これは.....究極の俺を愛しすぎるヤンデレのサイコパスの.....物語だ。

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