2011年11月30日(水)

2011年11月30日(水)


唐突に見たくなり、堂本金田一のDVDを借りてきた。

うにゅほが興味を示したので、十六年前のテレビドラマだよと答えた。

Wikipediaに書いてあったその情報に、ああ自分も年を取ったものだと感慨にふける。

うにゅほは両手の指を折りながら、

「……わたし、何歳?」

と小首をかしげた。

お前が知らないなら、俺も知らないよ。

下手をすれば、まだ生まれていないかもしれないけれど。

そう告げると、なんだか不思議そうな顔をしていた。

うにゅほが専用の丸椅子を持ってきて、俺のパソコンチェアの隣に置いた。

再生を始めると、途端にうにゅほの顔色が悪くなった。

俺はにやりとした。

古畑任三郎ですら、わあわあと声を上げながら逃げ出してしまううにゅほなのだ。

ホラータッチの描写が多い堂本金田一に耐えられるはずがない。

案の定布団にくるまってしまったので、一緒に買ってきたよつばと11巻を渡して機嫌を取っておいた。

うにゅほは読むのが遅い。

二時間弱が経過し、DVDの再生が終わっても、まだ読み終わっていなかった。

一コマ一コマ丁寧に読んでいるのか、あるいは最初から読み直しているのか。

専用の丸椅子は、片付けなかった。

なにせ堂本金田一は、あと二本残っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る