少年の日記 E

 今日、また、新しい死体が生まれました。僕たちの仲間の一人を、ばらばらにしました。

 美織ちゃんの指示で、僕たちダイヤモンドをこうせいする残りの星、三人で、がんばってキレイに切りました。

 どうして仲間をばらばらにしてしまうの?

 生き残りの三人のうちの一人が言いました。

 すると、美織ちゃんは、小さくてかわいい手を打ち合わせて、首をこてんとたおしました。


「私はアリだからよ」


 みんながぽかんと美織ちゃんを見つめました。


「校長先生はライオンなんでしょ。負けちゃうわよ」


「地球上でどんな動物より、アリの方が強いわ。それに私は、ただのアリじゃないもの」


 美織ちゃんがくるりと身体を回転させると、スカートがひらっとなって、とってもかわいかったです。


「女王アリよ。私は、この学校の女王アリ」


「じょおう?」


「あなたたちは、コロニーのアリたちよ。敵に群がって、食い殺すのが仕事。それで、コロニーが全滅してしまっても、私は生きる。また春になれば、新しい生徒が入って来るから」


 だから、がんばって働いて、ね? と笑う美織ちゃん。

 僕は美織ちゃんのこの笑顔が大好きです。

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