第2話


狐の村の村長は、狐達を集めて元気に言いました。


「みんな聞いてくれ!

狸の村と親交を深めるために、うちの村の名物『きつねうどん』を振る舞うことになった!

みんなで心を合わせて、美味しいうどんを狸達に振る舞おう!」


拳を作って空に向かって腕を上げた村長でしたが、

村民からは、不満が飛び交いました。


「どうして僕たちが、狸のためにうどんを作らなきゃいけないんだ」


「そうだよ村長!あんな奴らに食べさせるうどんはないよ」


思ったよりも賛同者がいないことに困った村長は、

不満を言う村民達にこう言いました。


「君たちは、村の名物だと謳っているきつねうどんを、

どうしてそこまで食べさせたくないんだい?

もしかして、美味しいうどんを作る自信がないのかい?」


「そ、そんなことないやい!」


「世界一美味しいうどんを作ってやる!」


そう言うと、狐達は集まって話し合いを始めました。


しかしどうしたら『世界一美味しいきつねうどん』ができるのか、

すぐには思いつきませんでした。


だから狐達は、地面に木の棒で文字を書き、

美味しいきつねうどんの条件を書き出しました。


「まずは、なんと言っても言ってもコシのある麺が大事だ!」

「きつねうどんの揚げは村一番のこだわりの揚げを載せるべきだ!」

「お出汁だってこだわりたい」

「どうせなら、器も高級品を使いたい」


そう言った意見をまとめた結果、

狐の村の村民達は、『いい食材を使い作ったうどんが一番美味しい』と言う結論に至り、全国各地を飛び回って材料を集めて、

美味しいうどんと出汁と揚げを作るためのスキルを磨きました。


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