姉様の婚約者①

今日は姉様たちの婚約者さんに会う日だ。僕と話した後に式の段取りを決めるらしく、姉様たちは楽しそうにしていた。

ヴィー兄様は稽古に行ってしまったけど、アル兄様はお休みらしくて朝から僕のお部屋にいてくれている。


「緊張してるのか?顔、強ばってるぞ?」


アル兄様に言われて、自分が想像以上に緊張していることに気づく。やっぱり、知らない人と会うのは怖いらしい。


「こわい…ですけど、だいじょうぶです。ねえさまの、すきなひと、なので。」


そう応えると、アル兄様は少し考えた後、僕のことを抱きしめてくれる。


「確かにそうなんだけど、無理はすんなよ?2人とも事情は知ってるから俺に引っ付いててもいいけど、どうしたい?」


「めいわくじゃ、なかったら、ぎゅって、して、ほし、、、です。」


最後のほうは声が小さくなったけど、ちゃんとお願いをしてアル兄様をうかがうように見る。


「迷惑だったら提案しないから。ほら、そろそろ来る時間だし、応接室行くぞ。」


そう言ったアル兄様は、僕を抱っこしたまま移動してくれた。

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