第15話 猫貴族、街を散策する
あっという間に最終日となった。
3日間の訓練で、なんとか『ダークインパクト』は習得し、闇魔法と漆黒魔法の使い分けが出来るようになった。
あとはティアと一緒に座学の時間に学んだ簡単な魔法がいくつか使えるようになった。
「護衛もいるが気を付けるんだよ」
「お金も使い過ぎないようにね~」
今日はティアの案内でフェリシア姉上と共に、ネルトニアの街を散策する。
僕たちはそれぞれ銀貨10枚のお小遣いを貰った。
お金の価値は、両親の話を基に日本円に換算すると、
銭貨=10円
銅貨=100円
銀貨=1,000円
金貨=10,000円
白金貨=100,000円
ぐらいだと思っている。
馬車で領主の館がある貴族街を抜け、市民街へ向かった。
「来た時はチラッとしか見れなかったけど、すごい賑わいだね」
「そうね。さすが公爵領って感じね」
「私もまだあんまり来た事ないけど、そう言ってもらえて嬉しいな」
「え、ちょっと待って!あの人ドワーフじゃない?そしてあっちには犬耳に猫耳ってモフモフパラダイスじゃないか!」
(浮気するなにゃ!モフモフはあたしで十分にゃ!)
頬を肉球でペチペチされ現実に戻される。ご褒美です。
その間、ルーク君は獣人さんが好きなのかなとティアが呟いていたが興奮した僕の耳には届かなかった。
「ルーク!獣人はうちの領内にもいるから落ち着きなさい。ほら、ティアも元気出して。まずはどこへ案内してくれるの?」
「そ、そうだね。まずは魔道具のお店を紹介するね」
そう言って案内されたのは、公爵家が利用する魔道具を販売する店だった。
魔道具とは魔力を源に動く道具で身の回りのものから家電製品のようなものまで存在する。
「いらっしゃいませ。ティアお嬢様。本日は何をお探しで?」
50歳ぐらいの男性が対応してくれる。おそらく店長なのだろう。
その後、冷蔵庫のようなものなど様々な魔道具を見て回った。
インクなしで書ける羽ペンが気になったが値段を聞くと金貨3枚だったため諦めた。
「お小遣いじゃ買えそうにないね」
「そうだね。じゃあ次のお店に行こっか」
次に案内されたのは高級そうな洋服店だった。
「私とティアは服を選んでるからルークは二階で選んでなさい」
男性の護衛の人を連れ服を見て回ったのだが、貴族らしい派手な服か元庶民の僕からすると高い服ばかりで気後れしてしまった。
なぜこんなに高いのか店員に尋ねると、貴重な魔物素材を使っているため付属効果があり高くなってしまっているとのことだった。
早々に見終えてしまったため、椅子に座って休憩していると、姉さんとティアについていた女性騎士が二階へ上がって来るのが見えた。
「ルーク様、お嬢様方がお呼びです。」
言われるがまま一階へ降りると、試着室の前で姉さんが待っていた。
「ティア!ルークが来たわよ」
その声に反応するように、試着室のカーテンが開いた
「ど、どうかなルーク君?」
そこにはまるで妖精が舞い降りたかのような白のワンピースに身を包んだティアがいた
「ティアの黒髪に白いワンピースが上手く合ってて似合ってると思うよ」
僕は決して前世で女性と付き合ってこなかった訳ではない。これくらい気の利いたセリフは言えるのだ!そう僕は決してモテなかった訳はないのだ!大事なことだから二回言わせてもらう!!
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