第2話【Y&S】会話劇 その①

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◆ ◆ ◆


義「ただいま。抜かりなく買ったつもりですが、

 これで足りてますか?」

サ「おかえり。んーと……大丈夫だ、ありがとな。

 粒だしだけはそこに置いといてくれ」

義「はい、他は仕舞いますね。ちなみに今日の具は

 何ですか?」

サ「トマトと玉ねぎに卵を落とす。味噌汁でも結構

 イケんだよ、コレが」

義「甥っ子さんの〈味噌汁通信〉?」

サ「まあな、ふんふんふふーん♪」

義「機嫌いいですね、嬉しい?」

サ「二度と来ないと覚悟してたから、多少な」

義「ふーん……久し振りに会う目の前の存在より

 も、ですか。すぐ側に居るのに妬きますよ」

サ「わ、ばか、急に抱きつくと危ねぇって、刃物持

 ってるんだぞ!」

義「お気になさらず、甥っ子さんには出来ないこと

 をしてやるんです」

サ「ちょっと待てって、こら、まさぐるな!お前の

 手を切るぞ!」

義「絶対しないって知ってるのでやめません、直接

 触ろうかな、こことか?」

サ「うふぅ……っていい加減やめろよぉ」

義「刺してもいいですよ、あなたに傷つけられるな

 ら本望ですから」

サ「心にも無いこと言うな、誰がやるかよ、バカ」

義「おや?待ってください。ここ、早速ちょっと大

 きくなりました?」

サ「マ、マジで、それ以上触るんじゃ、ねぇ……」

義「もしかして、すべきです?」

サ「……やめろって、もう……これ以上はヤバイっ

 てわかってるから」

義「どうしたいですか?」

サ「……何がだよ」

義「どうして欲しい?」

サ「うぅ、……て…くれ…」

義「何?聞こえない」

サ「……し……くれ」

義「もっと大きな声で言わないと」

サ「元に……戻して……くれ」

義「具体的に聞きたいです、どうしたらいい?」

サ「お前なぁ、くっ……ふぅ…、頼むから……」

義「頼まれますから?」

サ「頼むから、出ばった腹を戻す筋トレ法を教えて

 くれ!」

義「はぁ、全く。お互いの為にいい年齢トシの取り方を

 しろと口が酸っぱくなるほど言ったのに何です

 か、これは。本気で百年の恋も覚めますよ」

サ「うわあーーーん、悪かったよ!飯が美味いんだ

 よ、仕方ねぇだろ!」

義「炭水化物を摂り過ぎなんですよ、減らしなさい

 よ」

サ「白米と麺は大切な仲間なんだよ、つまみも酒も

 かけがえのない心の友なんだよ、離れられないん

 だよ!」

義「目の前の存在よりも、ですか?」

サ「はうっ!……お前が居なくなったら、生きてい

 けない」

義「だったら?」

サ「……ダイエットします」

義「良く言えました、ではご褒美です」

 ちゅっ。

義「残りは成功したらあげます」

サ「……そうでなくても、ください」

義「あなたの行い次第です、鍋、噴いてますよ」

サ「あわわ!あっちぃぃぃ!」

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