第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」⑤

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうエスカンパニー社員寮アサヒメゾン前。第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」④の5日後。2019年9月22日。時間は午前10時頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。


志織しおりが住む部屋の玄関のチャイムから、ピンポーンという音が鳴る。部屋内のモニターで来客を確認する志織しおり


叶恵かなえ:「ごめんください。」


志織しおり:「ど、どちらさまですか?」


叶恵かなえ:「今日から、隣の部屋に引っ越してきました"大神おおがみ"と言います。」


<モニター上には若い女性1人が映っている>


志織しおり:「あ!ちょっと待って下さいね!」


志織しおり、少し足早に自分の部屋の入り口に向かいカチリと内鍵を開けて扉を開ける。目の前には若い女性と中学生位の女の子が2人…2人の後方に緒妻 憂おつま ゆう…。>


ゆう:「志織しおりちゃん、お休みの日なのに朝からごめんね♪」


志織しおり:「しゃ、社長…。どうして…。」


ゆう:「ほら、この前、少し話していた私の妹達が、志織しおりちゃんの隣の部屋で暮らすことになったから、ご挨拶にきたのよ!」


志織しおり:「今日だったんですか?」


ゆう:「涼子りょうこちゃんから、"入居可能"ですよのOKもらってから、飛ばして準備してたけど…今日になっちゃった。(※フフフッと笑う)」


志織しおり:「(※困惑しながら)い、いや…。あれから、そんなに日は経ってないですよ。1週間位前だったはず…。」


ゆう:「志織しおりちゃん、私にとっては準備に手間取って遅くなったのよ!先ずは妹達の自己紹介から…。えーっと、先ずは…(※しばらく間を空ける)。叶恵かなえ、この子がウチの会社で働いている"天乃 志織あまの しおり"ちゃん。あなたの"先輩社員"になるから、仕事の事とかは色々と教わって。志織しおりちゃんも宜しくね♪」


叶恵かなえ:「"大神 叶恵おおがみ かなえ"と言います。明日から姉の会社で働く事になりました。"天乃あまの"先輩宜しくお願いします。」


志織しおり:「は、はあ…。"天乃 志織あまの しおり"といいます。よ、宜しくお願いします。」


ゆう:「あと、この子が更に下の妹の"珠花しゅか"。中学2年生でウチの"明来あき"と同級生になるのよ!凄いでしょ!同級生なのに叔母と姪の関係って!私がお母さんでもおかしくない位!フフフフッ…。」


珠花しゅか:「お、"大神 珠花おおがみ しゅか"です。"天乃あまの"さん、これから宜しくお願い致します。」


志織しおり:「は…はい。宜しくお願いします…。あの…。」


ゆう:「志織しおりちゃん、どうしたの?」


志織しおり:「いえ、涼子りょうこさんから聞いた話ですが、下の妹さんは…専務の…"前線カフェ"にいらっしゃったと聞いていましたので…。」


ゆう:「(※ハハハハと苦笑い)そうね…。2か月位はいたかな…。2か月前は、叶恵かなえが向こうのアカデミーの卒業の問題で帰国していなかったから…。ほら、日本と違って外国の学校は秋に卒業なのよ!それに直ぐ、8月の"豪雨災害"で我が家も被災したしね。兎に角、"珠花しゅか"の方が先に帰国して、"叶恵かなえ"がアカデミーの卒業証書をもらって2人の新居が用意できるまで、"珠花しゅか"には”前線カフェ”の方にいてもらっていたの!」


志織しおり:「に、2か月ですか!私、何度か"専務"がいる"前線カフェ"に業務報告とかで何度か行きましたけど…。社長の妹さんはお見かけしていなかったので…。」


ゆう:「(※少し焦りながら)そ、そうなの?それじゃあ、初めて会うのね!(※わざとらしく)いや~本当にそんな珍しい事もあるのね!"珠花しゅか"も"志織しおり"ちゃんと会うのは初めて?」


珠花しゅか:「は、はい…。つい最近まで鹿島市かしましの”前線カフェ”に居たそうなんですが…。私、そこに居た記憶がほとんどなくて…。バイトの方のお顔を何人かだけしか…」


ゆう:「志織しおりちゃん、ごめんね…。察してあげて…。色々と家庭の事情があって…"珠花しゅか"は急に母と離れ離れになって日本に来ることになったから…。その時のショックで一時期の記憶が飛んでいるのよ…。ね、"叶恵かなえ"?」


叶恵かなえ:「は、はあ…。そうなんでしょうね…。」


ゆう:「叶恵かなえもおかしな事ばかり言って!兎に角、この頼れる姉さんにお任せなさい!志織ちゃんも優しいし、てつちゃんも、明来あきも、いつきも、まさるも、ちゃん~と、2人のことを見守ってるからね!」


叶恵かなえ:「(※困惑しながら)あ、ありがとうございます…。」


ゆう:「また、叶恵かなえは"他人行儀"な…(※フフフフッと笑う)。とりあえず、これから、2階のおばちゃんの所にご挨拶してから、引っ越し作業を始めましょう…。大半の家財道具はもう揃えてあるから…。」


叶恵かなえ:「は、はい。」


ゆう:「元気ないな~あ。兎に角、こんな妹達だけど、志織しおりちゃん宜しくね♪優しくしてあげて!」


志織しおり:「わ、分かりました。」


ゆう:「あと、叶恵かなえには…。どちらにしろ…先が見えない片付け作業しかないけど、エスカンパニーの仕事の事も、しっかり教えてあげてね!頼りにしてるわよ!(※わざとらしい言い方で)"志織しおり"先輩!」


叶恵かなえ:「それでは、また…失礼します…。」

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