第1話「令和元年の涙雨」⑩

※場所は佐賀県鹿島市かしましにある"前線カフェ"内。⑨の翌日11時30分頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。




<"前線カフェ"の前に駐車するADKエーディーケーの軽バン。停車後に気づいて近寄る稲穂いなほ亜都あと




稲穂いなほ:「(※少し残念そうな声で)あれ、志織しおりさんか…」




亜都あと:「(※少し怒気を込めて)稲穂いなほちゃん!」




稲穂いなほ:「ごめんなさい。理名りなお姉ちゃんだと思って…」




志織しおり:「(※申し訳なさそうに)ハハハ…稲穂いなほちゃん、ごめんね。理名りなは今日は学校。(※しばらく間を空ける)え~っと"専務"は?」




蒼羽あおば:「ここでは、この"前線カフェ"では"店長"だよ、志織しおりちゃん。何か用?それとも"社長の代わり"に監視(※冗談そうに)ハハハ…」




志織しおり:「まあ。そんな感じですね。でも監視って程じゃないですよ。社長から、門前商店街もんぜんしょうてんがいで夏祭りとか伝承芸能でんしょうげいのうフェスティバルとかあったじゃないですか?大丈夫だったかと心配されてました。」




蒼羽あおば:「(※焦り気味で)来る客よりもバイトの数が多いからね。全く問題なかったよ。それよりも、"会社"の方が心配なんだけど…どう?」




志織しおり:「今も相変わらずですよ。まだ、"災害ゴミ"とそうでない物の仕分けや、床を拭いたり消毒したり、電気工事もやっと昨日、終わったって。車の方も社長も足を借りられたって…喜んでいました。でも、”何とか"金策"をしないと…”言われてるので大変そうです。機材の大半も処分して、お店用の仕入れ商品も"全部廃棄処分"ですし…。」




蒼羽あおば:「お店は暇ではあるんだが…なかなか来れずにすまん。こんな時だから店は休んだらいけないし、それに…(※しばらく間を空ける)バイトの子達だけには任せられんから…」




志織しおり:「社長もそれは、分かっていらっしゃいましたよ。ですが流石、日本3大稲荷神社いなりじんじゃ参道さんどうなだけあって行事の数も多いし、お店は大丈夫かなって心配されてます。」




蒼羽あおば:「いや、その点は大丈夫だから。バイトの子達はみんな"地元"の子だから、彼女達だけの手助けでこちらは何とかやれるから心配しないでくださいと、社長には伝えておいて。」




志織しおり:「せん…、いいや…店長分かりました。兎に角、まだ本社事務所は復旧には時間がかかりそうです。(※しばらく間を空ける)ちょっとだけ、お店の様子を見てもいいですか?」




蒼羽あおば:「それを頼まれてるんだろう。"社長"に…」




志織しおり:「まあ、そうなんですけど…。」




<店の中を覗いたあと、お店の中に足を踏み入れる志織しおり




祈里いのり:「あ、"コーチ"のお姉さん。」




神那かんな:「(※少し怒気を込めて)志織しおりさんよ。(※申し訳なさそうに)失礼な子ですいません。」




志織しおり:「(※苦笑いで) ハハハ…、理名りなって人気者なのね…。あとは…」




美琴みこと:「こんにちは。志織しおりさん、お疲れ様です。」




志織しおり:「美琴みことさん、こんにちは。沙希さきさんもこんにちは。お疲れ様です。」




沙希さき:「(※オドオドした口調で)こ、こんにちは…」




志織しおり:「皆さん、うちの理名りなもお世話になってるみたいで…。あと、会社の方がまだ全然、仕事も業務もできない状況で、見通しもたたないので、店長とお店の方は宜しくお願いします。」




蒼羽あおば:「ほら、客は…なんだが…店は大丈夫だから。なにせ"バイトの数が客より多い"店だからな。(※やや豪快気味に)ハハハハ…。そうだ、飯でも食べていくか?新作のカレーを考えたんだ。その名も”から揚げブラックカレー店長スペシャル!”」




志織しおり:「名前から…かなり重そうなネーミングですね。それじゃあ、ご馳走になります。"専務"、あっ!"店長"。あと、"超小盛"で。(※苦笑いで) ハハハ…」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る