第二十一夜「夜明けの星」
地球でも有る現象だが南極や北極では白夜と呼ばれて、太陽が沈まない季節が有る。そして、イーグルがコンタクトした星は自転しない星だった。つまり、昼の部分は常に昼、夜の部分は常によろ。月と地球の関係が太陽と惑星のかんけいとなった星の住人だった。
常に昼の人間は陽気で明るかった。そして常に太陽の恵みに感謝して神とさえ崇めた。確かに太陽は星を照らし、実りと希望と繁栄を
「僕等は太陽に認められた者たちだよ」
「太陽に?」
「そうさ、太陽が全ての人々に平等に恵みを与えてくれる」
イーグルは少し不思議に思って言った。
「君達は太陽が照らす面に住んでいるね?」
「そうだ、僕達は太陽が照らす面に住んでいるけど、それが…?」
「影の面には誰か住んで居ないのかい?」
「勿論影の面にも声明は居る」
「誰か住んでいるんだね?その彼等はどんな暮らしをして居るんだい?」
その星の住人は少し考えた。
「影の面は実は良く分らない。今の処、地図も無いんだ。確かに誰か住んでは居るけど、噂によれば眼を持たない人種らしい」
イーグルは成程と持った。地球の深海や洞窟に出来た水堪りに住む生物達の中には眼を持たない種族が確かに存在する。
「でも、伝説によれば起源は同じ生命体らしいんだ。良く分らないけど」
「君達はその種族の事を知りたいとは思わないのかい?」
又、その星の住人は考えた。
「いや、知ろうとは思わないよ。何しろ今が楽しいし、僕等は太陽に選ばれた者だし、態々危険を冒して影の部分に入り込もうとは思わないよ」
今度はイーグルが考えた。
「物事は、必ず陽が当たる場所に有るとは限らないんじゃないのかい?影の部分も合わせて考えなければ真実にたどり着けないんじゃ無いかい?」
「そうか知れないでも、僕達は影の部分を探査する事は永久にしないとおもうよ。今の生活に十分満足してるし、波風を立てるのも嫌だ」
「そうか、君達は太陽に認められた種族だからね」
「そうだよ」
イーグルは考えた。今度は影の部分にコンタクトしてみようと。太陽の面に住む者たちは平等日常を照らすと言ったがそれは明らかに間違っている。彼らはそれに気が付いていない、自分たちの面だけを世界として捉え、影の部分にはなにも思いを巡らせていない。極めて厳しい差別の中に生きていることが認識できていないのだ。繫栄した土地に住む者にはありがちな錯覚である。そこに気が付かない限り、自由と平等は広がってはいかないのだ。
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