理性に殺される


 私は何度、自身の欲求を殺して来ただろうか。


 何度、異性に飢えて、自らの善性に殺されたか。

 何度、どうしようもない屑と相対し痛め付けてやろうとして、理性に殺されたか。


 私の本能を抑え殺す理性は人間社会で生きるのに必要ではあった。


 だがどうしようもない本能には窮屈だ。


 人を傷つけることは良く無いこと。


 愛するからこそ手を引く事はできても、

 それを叱っても懲りない奴はどうすればいい?

 何度、手を差し伸べてもつばを吐く外道をどうすればいい?


 皆、その屑と関わりたくないと見放し、その結果屑は増長する。

 更生など一切する気のない屑を見放し、その結果屑の被害者が産まれる。

 皆、手を汚す事で同じ貉になるのを嫌がる。


 私の憤怒が納まる事はない。


 私の理性が屑に落ちる事を許さない。


 人間のストレスが如何に人を変えるかを、皆は知らない。

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