私の獣欲

 私は歪みに歪んでいるだろう。


 私は愛しい人と抱き合い果てたい。

 私は愛しい人の匂いに包まれていたい。

 私は愛しい人の血を飲みたい。


 私は愛に飢え、獣としての本能を抑え、根っからの残虐性が血を求める。


 人としてではなく、獣としての本能が愛しい人に向けられる。


 ああ、愛しい人。君を傷つけたくない。

 私は理性という檻に獣をしまい、人間としての私が獣を否定する。


 だがそれを受け入れてくる人を求めてしまうのは本能に抗えぬ生物としてのさがだろうか。

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