後編

 何度も書き直しをして、なんとかホラー短編が完成しました。かなり頑張って書きました。一度投稿したのに納得がいかず、取り下げて再度書き直したりもしました。


 その甲斐あって、その作品は初の週間ランキング一位に輝きました。


 その作品はそれまでとは比較にならないほど沢山の方に読んでいただけました。ベテラン作家さま方からもレビューをいただきました。未だに信じられない気持ちです。 


 応援コメントも今までの比ではないほど他方から届きました。なるべく全てを読んでメッセージを返しつつ、メッセージやフォローをくれた作家さま方の作品を読んで参考にする。それをひたすら繰り返しました。もしかしたら誇張抜きに今までの人生で一番活字に触れていた時間だったかも知れません。作品のタイトルはおどろおどろしいですが、あれを書けたことで色々な方の作品に出会えたんだと思うと感慨深くもなります。僕は次々とフォローが増えていくなか、ひたすらフォローいただいた作家さま方の書いた小説を読み続けました。


 ちなみに、僕は小説を読む際は周りの音をなるべくシャットアウトしてから読むようにしています。そっちのほうが作品に集中出来ますし、作品と作家さまに敬意を表しているというのもあります。いやー。やっぱり僕って清い心根の持ち主ですねー(笑)


 なので小説を読んでいる時は当然テレビなんかも観ないんです。で、暇ができればひたすら小説を読んでいたので、数日間テレビは消したままにしていました。




 その日、久々にテレビを付けたのは夜のニュースの時間になってからでした。

 驚くことにテレビ画面には、僕にメッセージを送ってきたD子さんの顔写真が映っていました。(本人が送ってきたわけではないということは流石に理解していた)普段ならまったく気にならないのですが、つい数日前にD子さんの名前でメッセージが送られてきていたこともあって、おっ、と思い僕はテレビのボリュームを上げました。




 訃報でした。




 ニュースではD子さんが亡くなられたと報じられていました。交通事故に遭われたそうです。凄く嫌な気持ちになりました。元々D子さんに強い思い入れがあったわけではなかったので、悲しいとか寂しい、そんな感情は沸いてはきませんでした。


 ただただ、嫌な気持ちになったのです。おそらく事前にD子さんの名前を騙ってメッセージが送られてきていたことが不快になった最大の要因だとは思いましたが、それとは別に、なんというか凄く気持ち悪さみたいなものを感じたんです。ペットの猫ちゃんが部屋の一角をジッと見つめているのを見つけたあの感じ、っていえば伝わりますかねー? 嫌な予感? 単純にそう言い換えたほうがしっくりくるかも知れないです。そこで居ても立っても居られず、僕は調べることにしました。


 今、何を? って思いました?


 僕は過去に『○○をテーマに――』のメッセージを僕宛に送ってきたA男さん、B子さん、C男さんのお名前を一件ずつ順番にネットで調べました。御三方の実際の名前はしっかり覚えていました。まあ特徴的なメッセージを送ってきた方々だったので、覚えようとして覚えていたわけじゃなく自然と覚えていた感じですね。どうして名前を調べようと思ったのかは自分でもよく分からないんですよねー。なんとなく。虫の知らせ、みたいな? そんな感じだったのかも知れません。調べたあとで、やっぱ調べるんじゃなかったなー。そう思いました。調べたらドンピシャで予感的中でした。






 全員亡くなっていました。






 調べてみて分かったのですが、僕が知らないだけで全員割と有名な方々みたいでした。実業家の方も居ました。色々とヤバいなーって思いました。なかでも、僕にメッセージが届いてからきっかり七日後に皆さん亡くなっているって気付いた時は鳥肌が半端なかったですね(笑)思わず、『うわー。まじかー』って言っちゃいましたもん。それが一番ヤバいと思いました。

 


 なぜにこんなことが起こるの? 

 というかなぜに全員七日後? 

 というかこれどういう原理? 

 誰がなんのために? 

 というかなぜに僕? 

 もしかしたら他の作家さま方にもやっぱり同じようなメッセージが届いてる?

 だけど、実はそれを皆他人に内緒にしてる?

 とかって色々考えました。頭ぐるぐるでしたね。回ってはいるけど働いては無かったんですけどね(笑)いや、そもそも全員亡くなっていることが異常なのでちょっと感覚も麻痺していたんだと思います。ちなみに死因はA男さんとB子さんが病死。C男さんが自殺。そして、D子さんが事故死でした。



 いや、こんなんホラーですやん! ってなりました。



 確かに僕はホラー好きではあるけど、観たり読んだりするのが好きなだけで自分が体験したいとは全く思っていませんし。心霊スポットとか行ったことないし今後も行かないし。というかそもそも心霊現象とか呪いとかってこの世に存在しないから(笑)


 だから何かトリック的なものがあるんだと思いました。で、親しくさせていただいている作家さま方に個別に聞いてみようかなーって思ったんです。ですが、あらためて考えるとそれはちょっと失礼にあたる気がしたんですよね。だって、『○○さんのとこにこんなメッセージ届いたことないですか?』って聞いちゃうと『失礼な! 俺(私)はちゃんと自分で考えて書いとるわ!』って思われるかも知れないじゃないですか。懇意にしてくださっている方々にそんな風に思われるのが嫌だったので、悶々としながらも誰にも聞くに聞けない感じでした。はい。

 



 まあ、ぶっちゃけますと、こんな話書きたくなかったんですよー。だって『あいつ何処かの誰かから小説のネタ提供してもらってたのかよ』みたいに今後思われるのは嫌ですし(汗)









 嫌だったんですけどねー。







 前述の通り、他の作家さま方の小説を読んだり、メッセージにあった方々の名前を調べたりしていて、ついうっかり忘れていたことがあったんですよねー。それを思い出した僕はすぐに自分の新作に届いているコメント欄をもう一度じっくり確認しました。


 当然のように、今までと同じく、そのコメントは届いていました。

 気付いた時点で送られてきてからすでに三日も過ぎていました(汗)






『呪いをテーマにエッセイ風の話を書いてみてはどうでしょうか。具体的にはエッセイを読んだ相手に呪いが伝播するという話です』






 今度はエッセイでした。


 エッセイ……。いや、書いたことないし! そもそもエッセイってなんなん!? ってなりました。というか呪いって……。それをいうなら今の僕の状況こそ呪いじゃね? 






 あ。






 そっか。






 僕が今体験していることをエッセイ風にして皆に読ませろってことか。






 流石にその時はもうテーマに沿って作品を書くのは止めようって考えていました。



 でもなー……。



 今回のメッセージの送り主の名前を見たら、もう書かないという選択肢は選べないなーって思ったんです。



『二階堂 ○○』








 僕の名前でした。



 ホントずるいよねこういうの(笑)



 もう、だれだよー!ってwww 僕が小説書いてること知ってるリアフレだれーっ!ってwww(僕が小説書いてることを知ってるリアフレは居ない。というかリアフレ自体居ない。それが一番恐怖www)


 サイト上で他人の本名確認する方法なんてないですよね? ね? 分かってます分かってます。そんな方法あったら流石にヤバいですもんね。


 じゃあ、なおさらだれー!ってwww 僕の実名名乗ってメッセージ送ってきたのだれーっ!ってwww


 勿論僕が僕に送ったりなんてしてないですよ? そんな方法あったとしてもやりません。キモいし(キモいって言っちゃったwww)まあ、そういう脅されてる的な流れだったのでエッセイ風の作品を書かざるを得ませんでした。




 で、これ書いちゃいました(笑)




 それで、ですね。


 もしこれ読まれた作家さま方の中に『あ、この話、俺(私)知ってるかも』みたいな方がいらっしゃれば、あとでこっそりメッセージで教えてください(こっそりの意味w)


 それと、できればで良いのでこういった呪い的ななにかの対処法とかも分かればこっそり教えていただければありがたいです。(だからこっそりの意味w)


 あと教訓として、『○○をテーマに○○○○○のような話を書いてみてはどうでしょうか。具体的には○○○○を○○するという話です』というメッセージが知らない方から届いても無視しましょう(笑)あとあと、作品は自分自身の力で最初から最後まで作ろう! ってことですかね(笑)


 ちなみに僕の名前でメッセージが届いてから今日がちょうど七日目だったりするので対処法が分かる方はお早めにー(しつこーw)



 

 はい!



 ということでエッセイ風のお話でした(笑)真剣にエッセイを執筆されている方々から苦情がきちゃうかも知れませんね(汗)






 あ。






 大事なことなので、冒頭でもお伝えしましたけど、一応もう一回だけ言っておきますね。

 

 このお話、勿論フィクションですから(笑)


 本気にしたら、メッ、ですよ(笑)






 いやー。書いた書いたー。書いちゃったー(笑)書き終わったらちょっと眠くなってきました。


 最近あまり眠れてなかったんで、今からちょっとだけ眠ろうかなって思います。なんだか今日はよく眠れそうな気がします。起きてから新しいメッセージをチェックするのが今から楽しみですね(笑)

 

 もしかしたら本当に対処法とか届いてたりして。


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フィクションですから(笑) nikata @nikata

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